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川野幸夫

*【見出し】  川野幸夫
*【副見出し】パートナーさんが日本を元気に

*【リード】
  川越に本社のあるヤオコーは、四半世紀以上の間も着実に成長し続けてきた日本一元気な食品スーパーです。日本アポック、赤心堂病院、愛和病院とともに埼玉県のプラチナ企業に選ばれています。
  成長の秘密は、パートナーさん(地元の主婦パート社員)の活用です。優秀なパートナーさんについて川野幸夫氏に語っていただきました。

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「パートナーさんは優秀です。一人の人格として認め、おまかせすれば、知恵や工夫、経験を発揮してくれます。認めておまかせする、ヤオコーの経営はこれに尽きます。」

  川野幸夫氏は、1942年生まれ、東京大学法学部卒業。剣道の達人。ヤオコー会長で、日本スーパーマーケット協会の会長もつとめています。
  実質的創業者の母の教えが創業理念になり、ヤオコーの家庭的雰囲気につながっています。


「わがヤオコーのパートナーさんは日本一、我社の宝物です。こんなにがんばってくれる人たちはいません。」

  地元の主婦を中心とするパート社員のことを、ヤオコーでは敬意を込めて「パートナーさん」とよびます。1万人以上のパートナーさんがいます。
  ヤオコーの原動力は、ヤオコー好きのパートナーさんの愛社精神と帰属意識の高さです。「収入よりも働きがい」を大事にするパートナーさんが強みです。


「パートナーさんが生き生きしていると、お客様も楽しそうに買い物をします。」

  パートナーさんは、生活の現場や地域の出来事を知る重要なお客様でもあります。
  肉、魚、惣菜、パン、花売り場などの売り場が独立した商店のようになっていて、全体が商店街のつくりになっています。食情報が豊富で、売り場が面白く、退屈しません。


「現場の人のやる気を高めるために、作業プロセスがわかるように調理場が見えるようになっています。これが商品の新鮮さとにぎわいのもとになっています。」

  各店舗に権限を移譲する提案型売り場つくりになっています。それぞれの店舗に個性があるのはそのためです。


「クッキングサポートコーナーでは、パートナーさんが店内の材料で調理を実演し、メニュー、食卓の提案をします。献立づくりの相談にも乗ります。」
「鮮魚売り場では、要望に応じて下処理をおこないます。

買い物カゴ置き台が備えてあったりなど、きめ細やかな売り場になっています。


「パートナーさんは毎月発表会を開き、業務改善に取り組んでいます。」
「毎年100人以上の規模で高級レストランなどでおいしい食事を体験したりして、提案力をきたえています。」

  研修センターで開かれる毎月の「感動と笑顔の祭典」は、改善事例発表会です。 川野幸夫会長は発表者全員と昼食を共にします。アメリカ視察のごほうびもあります。
  プレゼンの模様は、各店ビデオで共有します。 職場が勉強と研究の場、希望に満ちた場になっています。


「パートナーさんには賞与もあり、できるだけ正社員に近い待遇になっています。」
「パートナーさんは社員と同等の扱いで、権限を移譲しています。」

「パートナーさんは準正社員待遇となっています。


「全員経営が、ヤオコーの一番の強みです。」
「パートナーさんは、売り場の運営をなんでもこなします。」
「私は、あまり経営に口出ししません。創業の精神を伝えていくのがわたしの仕事です。」

  個々の店舗、パートナーさんに権限を移譲し、地域に根ざしたお客様の要望にあった「個店経営」をヤオコーはおこなっています。ヤオコーほど店舗を差別化できているスーパーはありません。
  パートナーさんは、品出し、売場づくり、客数、売上個数予測、受発注にいたるまで売り場の運営をこなしています。ヤオコーの経営は、権限委譲型、地域密着型、全員参加型個店経営です。


「お客様の『まあまあ』は、『まだまだ』だ」
「周りの人のお役に立てば自分自身も幸せになる」
「へたでもみっともなくても毎日やり続ければ能力になる」

  これは川野幸夫氏が母から学んだことばです。
母の「お客さまのおかげ」が、優しく温かい家庭的な社風につながっています。


「世の中のトレンドは、生産者主権から生活者主権へ変わってきています。」
「小売業が頑張らないと国民の生活は良くなりません。」
「国の生産年齢人口が減っていく中で、女性の力を生かせば、日本経済は必ず活性化します。」
「ヤオコーは、小売業を通じて、人類の幸福の実現をめざしています。」

  お客様からいつも鍛錬をされているのが小売業です。ヤオコーは「豊かで楽しい食生活提案型スーパー」です。お客様が楽しんでワクワクする売り場、楽しく活気のある売り場がモットーです。
  小売業を通じて、日本経済を活性化し、人類の幸福を実現する、が川野幸夫氏の夢です。

(2014年1月16日ヤオコー川越美術館で開催の川野幸夫セミナーおよびインタビューより抜粋編集。なお、ヤオコー川越美術館は、公共性を全面にだした中学生以下は無料の美術館です。構成:桑原政則  )

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著書『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』。他に


ヤオコーは首都圏に133店舗を展開。24期連続で増収増益を続ける日本一元気な女性力活用ナンバーワン食品スーパー。1890年小川町で「八百幸商店」として創業。小川町創業のしまむらと共に、「進取堅実」な経営が特徴。本社川越






【注】

増税に対しては、品質の高い惣菜などにも重点を置き、販売拡大につなげていきます。

【cf.】店内に入ると、季節感あふれた果物  鮮やかな色とりどりの野菜と、パンなどの香りが買い物客の購買欲をそそる。
売り場は、明るく、歩きやすく、疲れない。鮮度感



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ヤオコーの男女共同参画  ・パート社員の業務改善、料理提案、個店経営、店長塾、流通業、…、その他

21期連続の増収増益と驚異の業績
現場スタッフ主導の「個店経営」

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・ビジネス形態の変化はどのように。IT  高齢化 集中
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@@@@@川野幸夫の名言
・国の生産年齢人口が減っていく中で、女性たちの力を生かさない手はありません。とくに子育てを終えた女性は、知恵や知識、経験も豊富です。そして彼女たちも、社会で生かされることを望んでいるのです。女性の力を生かせば、日本経済は必ず活性化します。国力が衰退しつつあるいまだからこそ、あらゆる業界で女性の力を再評価し、生かすべきです。

・経営者が「あなたの力を発揮してください」とはっきりと伝えて、パート勤務の人材をコストではなくキャリアとして見る。これができれば、彼女たちは額に汗を流して働くだけでなく、知恵や工夫といった創造性を発揮して、頭にも汗して働いてくれます。

・日本の女性は総じて非常に優秀です。彼女たちが働きやすい環境をいかにつくるか。これは小売業だけでなく、あらゆる産業が解決すべき課題ではないでしょうか。なかでも企業はまず、彼女たちを一人の人格として認めることが重要になります。給料が安いから雇っているのだと思われれば、給料分しか働いてくれません。

・同業者からはしばしば、なぜ優秀なパート社員が多く集まるのか聞かれます。ですが、我々はなにも特別な採用・教育システムを導入しているわけではありません。ただ経営陣がパート勤務の彼女たちをきちんと一人の人格として見ること。これに尽きるのです。

・ 自分たちの独自性をどこまで深く追求していくことができるか、それが勝負だ。

・安さで勝負するのか、サービスを徹底させるのか、あるいは情報提供を充実させるのか。その店ならではの独自性を打ち出す必要があります。もはや「同質化競争」では生きていけません。

・大手との競争に勝つためには、生鮮品や総菜などのライフスタイル商品の魅力が決め手になります。こだわりが必要です。

・いい店かどうかは行けばわかります。店内が生き生きしていて、お客様も実に楽しそうに買い物をしているのです。うちのパートナー(パート従業員)さんは日本一です。

・これからは一店ごとに地域に根ざした「個店経営」がより重要になってきます。それには店長一人だけでなく、当社がパートナーさんと呼ぶパート従業員の人たちに権限を委譲していくことが大切です。


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【ヤオコー、川野幸夫略歴】
1890年(明治23年)  ヤオコー 小川町に創業。
1942年(昭和17年)  4月25日、埼玉県小川町に生まれる。
1966年(昭和41年)  東京大学法学部卒業  埼玉県立浦和高校を卒業
1969年(昭和44年)  (有)八百幸商店入社
1974年(昭和49年)  八百幸商店を改組㈱ヤオコー設立 取締役
1985年(昭和60年)  代表取締役社長
1986年(昭和61年)  (財)川野小児医学奨学財団を設立 理事長に就任
2007年(平成19年)  ㈱ヤオコー代表取締役会長
2009年(平成21年)  日本スーパーマーケット協会会長に就任
【cf.】文献
「人間発見  ヤオコー会長・川野幸夫」日経新聞夕刊 2014/01/06-  /10
「ヤオコー川野幸夫の経営教室」日経ビジネス、2013/06- 07
川野幸夫『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』
企業家倶楽部 2013年 02月号 [ヤオコー特集 川野幸夫のすべて] [雑誌]
 小川孔輔  『しまむらとヤオコー -小さな町が生んだ2大小売チェーン-』

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→ 川野幸夫の女性論


・国の生産年齢人口が減っていく中で、女性たちの力を生かさない手はありません。
とくに子育てを終えた女性は、知恵や知識、経験も豊富です。
そして彼女たちも、社会で生かされることを望んでいるのです。
女性の力を生かせば、日本経済は必ず活性化します。
国力が衰退しつつあるいまだからこそ、あらゆる業界で女性の力を再評価し、生かすべきです。


・経営者が「あなたの力を発揮してください」とはっきりと伝えて、パート勤務の人材をコストではなくキャリアとして見る。
これができれば、彼女たちは額に汗を流して働くだけでなく、知恵や工夫といった創造性を発揮して、頭にも汗して働いてくれます。


・日本の女性は総じて非常に優秀です。
彼女たちが働きやすい環境をいかにつくるか。
これは小売業だけでなく、あらゆる産業が解決すべき課題ではないでしょうか。
なかでも企業はまず、彼女たちを一人の人格として認めることが重要になります。
給料が安いから雇っているのだと思われれば、給料分しか働いてくれません。


・同業者からはしばしば、なぜ優秀なパート社員が多く集まるのか聞かれます。
ですが、我々はなにも特別な採用・教育システムを導入しているわけではありません。
ただ経営陣がパート勤務の彼女たちをきちんと一人の人格として見ること。
これに尽きるのです。

村上龍も絶賛 
川野幸夫『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』
「川野トモさんの経営哲学は、
信じられないほど「先駆的」だ。」

川野幸夫