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丸山健二: 没頭と継続が大事

丸山健二が、もの書きにきびしいことをいっています。
丸山健二は、長野県で単車をぶっ飛ばしながら、独自の世界を築いています。
「尽きない文学の天空」、日本経済新聞、2008年4月20日より

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才能を磨かず、才能を育てずして、注文のままに書きつづけていると、
けっして卵や雛以上には成長せず、
時間の問題で朽ち果ててしまうのは自明の理である。

没頭と継続というひたむきな歳月を本気で送ろうとしない限りは、まずもって不可能であろう。

少し無理をすれば手が届きそうな高さに次の作品の目標を設定し、
そこへ肉薄するためのより具体的な計画を立て、
果敢に挑んでゆく習慣をしっかりと身につけなくてはならない。

行く手にはさまざまな誘惑と堕落が待ち構えている。…。

まずは人気と人気に伴う高収入。
次に名声や名誉。
あるいは暴飲暴食のたぐいの不摂生。
そして、孤独に耐えきれない心の弱さ。

所詮は卵や雛のの段階でしかない未熟な才能を過信し、
それに頼りすぎることであっけなく自滅の道をたどってしまった小説家や詩人は枚挙にいとまがない。

丸山健二



【コメント】
毎日毎日続けてやっていることは、クルマでいえば、
暖機運転がすんでいるエンジンのようなものです。
すぐにフルパワーに入れます。

しかし1週間に1度ですと、忘れてしまいがちです。
また暖機運転に時間がかかり、いやになります。

なすべきことは、

365日、
没頭、
継続


です。

若き友への檄(げき)

(改稿:2010年11月22日)