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ダイダラボッチのトゲでつくられた刺橋(とげばし)  

(2004年11月11日初稿)
(2010年4月4日改稿)


とげ橋

小畦(こあぜ)川にかかる「とげ(くさかんむり+刺)橋(とげばし)」は、ダイダラボッチのトゲでつくられました。

昔、ダイダラボッチ(大太法師)というでっかいカミサマがいました。
茨城県の筑波山から富士山までたった36歩で歩くことができました。

*ダイダラボッチ 【画像】

ある時、ダイダラボッチが小畦(こあぜ)川を通りかかったとき、足にトゲがささってしまいました。
痛くて前へ進めないので、土手に腰をおろしてトゲを抜き ました。
ダイダラボッチ(大太法師)の抜いたトゲは小畦川の中にささったままでした。

そのころ小畦川は、曲がりくねって流れも速く、川を渡ることができませんでした。
村人が橋をかけようと杭を打っても、すぐに流されてしまいました。

ところが、ダイダラボッチ(大太法師)のトゲはいっこうに流されません。
村人達は、大勢でおそるおそるトゲをクイにして橋をかけました。
いざ工事に取りか かると、万事うまく運び、橋は立派に完成しました。

村人たちは大喜びで、ダイダラボッチ(大太法師)の神に感謝し、橋の名前を刺橋(とげばし)と名づけました。

また、ダイダラボッチ(大太法師)がわらじのドロを落としたところは、立派な丘になり洪水の時の避難場所や農作業時の休憩場所になりました。

 刺橋の下で団らん中のしらさぎ一家

とげ橋
ダイダラボッチ

cf.新井博『川越の民話と伝説』(有峰書店新社、1990年)