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どうして先進国は貧困国よりしあわせ度が低い? <コラム

以下は、留学生諸君からの書面インタビューへの解答です。

<質問>
2005年、世界幸福度ランキングによると、日本人は95位です。
また、先進国は概してしあわせ度が低いです。
どうして先進国は貧困国よりしあわせの満足度が低いのですか?

桑原政則:
1945年、日本が戦争に負けたとき、物がありませんでした。
明日まで生きられるかどうかわからず、楽しみは食べるものにありつけることだけでした。
うまいまずいは、関係ありませんでした。

毎日毎日食べ物を手に入れるのに、みんな必死でした。
そのときのしあわせは、食べることでした。

のちになると、ちょっとした日用品、鉛筆や紙などを手に入れたときは、
うれしく楽しかったものでした。

さらに経済が成長期に入り、1950年代になると、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の三種の神器を購入することが、豊かなしあわせな生活の象徴でした。
1960年代には、カラーテレビ、クーラー、自動車が、三種の神器となりました。

しかし、このころから日本人は、物が豊かであることは心のしあわせにはつながらないことを感じ始めました。
しあわせは、物ではなく、心にあることがわかりました。

現代科学は、採算の点から、物質重視の科学です。
「心のしあわせの科学」が未発達です。
このことが先進国の人々を、ふしあわせにしている大きな要因です。

貧困国の人々は、物を手に入れればしあわせに感じます。

物を手に入れてしまった先進国の人々は、心のしあわせを求めます。
しかし、どこに心のしあわせがあるのか、どうしたら手に入るのか、「心のしあわせの科学」は、未発達のため、教えてくれません。

これが、先進国の人々の方が、貧困国の人々より、しあわせの満足度が低い理由です。


<質問>
健康、お金、心の関係は?

桑原政則:

健康で、お金もほどほどあり、毎日を楽しく働き、勉強し、遊ぶのが理想の人生でしょう。

また、社会が福祉などの点で信頼でき、安定していれば、お金はそれほど必要ないでしょう。

健康に問題があり、お金がなくても、心の持ち方により、しあわせを感じることができます。

目が見えなくなったら、まだ耳で聞くことができるし、口でしゃべることができると考えて、自分を満足させます。
目も耳も口もだめになったら、「頭で楽しい世界を描き」、ヘレンケラーのように、こころのしあわせを求めます。

「心身一如(しんしんいちじょ)」と申します。
強い豊かな心と頭脳があれば、身(健康、お金= 物)の不便は、たいていカバーできます。

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