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| Secretary Henry Kissinger, Premier Chou En-Lai, Chairman Mao Tse Tung |
アメリカは、国境問題で争っていた中国とロシアの分断作戦に出ることにしました。
キッシンジャーは中国に飛び、毛沢東と周恩来に、中国ロシア国境に集結している膨大なロシア軍の写真を見せました。
その写真は人工衛星でとったものでした。
毛沢東と周恩来は、ロシア軍の巨大さに驚きました。
また、アメリカのスパイ衛星の技術の精巧さに圧倒されました。
| http://morinokakera.jp/blog/?attachment_id=14259 |
この間、ニクソンは日本の首相・佐藤栄作に、蜜約を含め、沖縄返還を約束しました。
＜＊ この時の密使で極秘交渉を行ったのが若泉敬です。
のちに自殺します。＞
中国は沖縄返還で、アメリカをさらに強く信頼しました。
というのは、沖縄が日本に返還されることにより、沖縄は核などで中国をターゲットにしなくなるからでした。
日本は非核国家ですから。
中国は、ロシアを捨ててアメリカをとる覚悟をここで決めました。
こうして、ベトナム戦争で弱っていたアメリカは、沖縄返還をダシに、中国を自陣営におびき寄せることに成功しました。
そしてロシアを1991年崩壊に導きました。
キッシンジャーが1973年ノーベル平和賞をもらったあと、
キッシンジャーの強烈な推薦で、
翌1974年 佐藤栄作もノーベル平和賞を受賞したのは、このような経緯からでした。
沖縄返還が契機で、アメリカは中国を味方に付け、ロシアをつぶすことができました。
ノーベル平和賞はほかの賞とはちがって、ノルウェー政府が決める政治的な賞です。
アメリカのロシア崩壊政策がなければ、沖縄の日本返還はまだまだだったでしょう。
1972年の沖縄返還はアメリカの世界政策の一環でなされたものです。
【cf.】若泉敬『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』(文藝春秋、1994 年)
ノーベル平和賞
若泉敬