『JAPAN NOW』 観光情報協会 2012年1月25日
「新しい観光」で日本を元気に
東海旅客鉄道相談役・須田寛
昨年は東日本大震災で日本の観光
は大きい試練を受けました。観光は
人的交流を促進し文化の生成発展を
はかる文化活動であり、また人の移
動に伴って大きな経済効果を生む重
要な経済活動でもあります。今年こ
そ「観光立国」を実現し、日本経済
の再生をはからねばなりません。
低迷している観光を振興するためには観光形態の
変化、観光ニーズの変化に対応して、従来の観光か
ら脱皮した「新しい観光」を展開する必要がありま
す。
即ち、第一にいわゆる
ニューツーリズムともいう
べき全く新しい観光方式、観光資源を開発すること
(ヘルスツーリズム、エコツーリズム、スポーツ
ツーリズム等)。
第二に
新しい角度(テーマ)から観光資源を見直
して、その魅力を再発見するテーマ別観光(産業観
光、街道観光等)の推進。
第三に
在来型観光を新しく再編成すること(食の
観光、新温泉観光等)であります。
以上の観光に取り組むと共に、観光産業(旅行
業、宿泊業、交通事業等)が経営を効率化して観光
コストの低減をはかり、参加しやすい観光とするこ
とも求められます。
震災後、いわゆる風評被害に各観光地は悩まされ
続け、観光にとって適確な情報発信が如何に大切か
をあらためて痛感させられました。上記の「新しい
観光」はいずれも適確な情報発信-それも着地から
の-によってこそ、その成果を得ることができるも
のと思います。