ページ

松尾鉄城「川越の遺跡夜話」2012/09/18@武蔵観研セミナー


★ 「川越の遺跡夜話」 松尾鉄城(川越市文化財審議会委員、東京家政大学) 

★遺跡・史跡とは
過去の人類あの活動の痕跡、遺構や建物の場所及びそのもの全てを指す。
史跡とは、その遺跡の中から、行政機関(国や県)が指定した遺跡のことを称す。 
遺跡の中に史跡が含まれるといえよう。

★遺跡・史跡の対象とするもの
史跡の代表ともいえる「特別史跡」には、
吉野ヶ里遺跡、登呂遺跡、法隆寺、姫路城、高松塚古墳、大宰府などがある。
川越でいえば、牛塚古墳、鹿見塚、河越館、喜多院、川越城跡、蔵造りの街並み等
々史跡に含まれない遺跡のほうは、例をあげるのが難しい。
いえ、いくらでもあるのですが、いくらでもありすぎて、世間的には無名なので、
遺跡名をいってもお分かりにならないのではないか。

図書館などに行けば、地区の教育委員会などの作成した遺跡分布図が見られる。。
お住まいの近辺の地図をご覧になると、おそらく遺跡の範囲を示す赤い丸で囲われ
た地域がたくさんあるものである。
広範囲を囲むものから、小さな古墳のように赤い点のものまで。        
例 川越城」、喜多院、河越館                       
しかし、見失われる点的な遺跡・史跡・・・三芳野塚、西原古墳、南大塚4号墳、日
枝神社古墳、旧村内にお堂・・・大杉神社(ふじみ野市)、今心配な「聖観音堂」
(南古谷)、田谷堰(宮元町)、旧赤間川(埋め立て、暗渠)

そのすべてが遺跡です。

そして、伝承的、伝統的なものの中にも遺跡・史跡として対象になるものもある。
例 万葉遺跡  鹿見塚
  河越夜戦跡 砂久保陣屋跡                             
伝説地・・・喜多院の七不思議、川越城の七不思議、とうりゃんせの細道
り塚、吉田次兵衛塚等々

つまり、過去の人類の活動の痕跡の全てが遺跡で、そのなかで専門機関が「これは
重要(もしくは有名なエピソードに合致する)だ」としたものが史跡という事で、と
りあえずの理解としては宜しいのではないでしょうか。

重要なことは、それを、誰たちに、何処で、どのように、何のために活用するか


日本の文化遺産保護制度の体系における「史跡」とは、貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅そ
の他の遺跡のなかで、歴史上または学術上価値が高いと認められ保護が必要なものについ
て、国および地方公共団体(都道府県、区市町村)が指定を行ったものである。

文化財保護法は、貝塚、古墳をはじめとする遺跡のうち日本国にとって歴史上または学術上
価値の高いものを、文部科学大臣が「史跡」[1]および「特別史跡」の名称で指定することが
できると規定している。地方公共団体においては、国の指定から漏れたものに対して、それ
ぞれの条例に基づいて指定を行っている。地方公共団体の制度はおおむね国の制度に準じた
ものであるが、それぞれの考え方に応じた制度が設けられており、例えば、東京都では「旧
跡」、横浜市では「地域文化財」などといった、文化財保護法にはみられない指定等の区分
が設けられている場合もある。名称も、「県史跡」「県指定史跡」など、地方公共団体によ
ってそれぞれである。

特別史跡「五稜郭跡」(北海道函館市) 特別史跡「平城宮跡」(奈良県奈良市)の朱雀門(復元) <* 写真省略>


文化財保護法第2条第1項第4号では、記念物について次のとおり規定している。

貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとつて歴史上又は学術上価
値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとつて芸術
上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植
物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)
で我が国にとつて学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

そして、文化財保護法第109条第1項では、史跡について次のとおり規定している。

文部科学大臣は、記念物のうち重要なものを史跡、名勝又は天然記念物(以下「史跡
名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

文部科学省が公表している『特別史跡名勝天然記念物及び史跡名勝天然記念物指定基準』で
は、史跡の指定基準[2]が次のように定められている。

次に掲げるもののうち我が国の歴史の正しい理解のために欠くことができず、かつ、
その遺跡の規模、遺構、出土遺物等において、学術上価値あるもの

貝塚、集落跡、古墳、墓地等

都城跡、国郡庁、城跡、官公庁、戦跡、その他政治に関する遺跡

社寺跡、その他祭祀信仰に関する遺跡

学校、研究施設、文化施設、その他教育・学術・文化に関する遺跡

医療・福祉施設、生活関連施設等

交通・通信施設、治山治水施設、生産遺跡、その他経済・生産活動に関する
遺跡

墳墓(大名・著名人)・碑

旧宅、園池

外国及び外国人に関する遺跡

これらの条件を満たすと判断されたものが、文部科学大臣から文化審議会に諮問され、文
化審議会における専門家の審議、文部科学大臣への答申を経た上で、史跡に指定される。
2012年3月27日現在、1,694件[3]が史跡に指定されている。