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生涯現役へ能力磨こう(NK2012/10/15)


生活・ひと

Nipponビジネス戦記生涯現役へ能力磨こう マーク・デュレイ

 米国の労働者はすべて、日本の正社員ほど雇用が安定していない。それゆえ、何歳になってもエンプロイアビリティ(雇われる能力)を向上させる努力を続けなければならない厳しさがある。一方、米国には日本のように、一定の年齢に達した時点で定年するという概念がない。健康で能力があれば、生涯現役が可能だ。
 私の米国の知人に、長年にわたり会社で実績を上げた人がいる。彼は50代後半になってから、別の会社で顧問として活躍し、経営アドバイザーの第一人者として名が知られるようになった。その彼が引退を決め会社を辞めた後、複数の企業から顧問として招請したいというオファーが来た。生涯現役のモデルケースのような人だ。
 日本では少子高齢化が進み、若年層から高齢者まで、幅広い年齢層の人々の雇用を増やすことが課題となっている。実際、働けるうちはいつまでも働いていたいという人は多い。
 私は会社の事業を通じて、若年層のみならず高齢者の人たちまで、働く意欲を持つ人たちが仕事を通じて生きがいを得られる支援を続けていきたいと考えている。そのためにも、仕事を求める人や働く人たちには、「自分は雇われる人材として値するか」を考え、何歳になってもエンプロイアビリティを向上させる努力を続けてほしい。優れた経験や専門性を有する人はより選択肢が広がるからだ。
 自分の価値を把握し、それを高めるためにスキルを伸ばし、継続して経験を積んでいけば、道は開けるようになる。終身雇用制度がなくなりつつある現在、頼れるのは自分自身だということを念頭に、日々努力を続けることが大切だろう。
(アデコ会長)