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なぜ大陸の帝国は荒々しい?


遊牧民族の4帝国

ユーラシア大陸中央部の草原の民は、騎馬を得意としていました。

遊牧民は草原が豊かになって、馬の数がふえた時、農耕社会に侵略し略奪しました。
遊牧民は、貧しいからではなく、豊かになり、戦闘能力が整ってから、農耕地帯を一気におそいました。

略奪産業は、濡れ手に粟の楽しい仕事でした。

遊牧民の暴力はすさまじく、皆殺しが原則です。
<※ 梅棹忠夫『文明の生態史観』>

農耕民は、自分たちを守るために、おおいそぎで強固な組織をつくりました。
この組織が国家となりました。

暴力、破壊、皆殺しに対抗する組織ですから、専制的な国家にならざるを得ません。

こうして、中国、インド、イスラム、ロシアは、何度も破壊をこうむり、順調な生育ができませんでした。

近代文明社会を展開できませんでした。
民主主義を育てる余裕はいまもありません。
大陸の古い文明国は、気遣いやさしさとは無縁です。


遊牧民の暴力、戦争がおよばなかった西欧と日本だけが
マイペースで近代文明を育て、高度資本主義社会をつくることができました。


遊牧民族の暴力で、ベトナム、タイ、ミャンマーなどのアセアン(海洋アジア)は、中国から押し出されて、いまの地に居を定めました。

豊かな海洋アジアは、イギリスと日本に豊富なスパイス(医薬)、木綿、陶磁器などを提供し、産業革命(イギリス)、勤勉革命(日本)のもとを提供します。

大陸アジアは「所有」が国の原則ですが、海洋アジアは、「交換」が柱です。
戦争で領土の取り合いなどは原則しません。

日本でも江戸時代、武士は土地を所有しませんでした。

やわらかい海洋アジアは、何でも飲み込みます。
中国やインドやイスラムを、人間ごと、生活様式ごと、どうぞと自分の地域へ飲み込んでいます。

日本も東南アジアと同じです。
中国、インドなどの異文化を飲み込み、咀嚼するのが得意です。

日本や海洋アジアの柔軟性が、これからは世界で求められているようです。

【追】
タイ語、インドネシア語、日本語は、祖先を1にしています。
いまのインドネシア語のようだったタイ語は、中国に長くいるうちに、声調を取り入れ、
中国語のような声調言語になりました。
タイ語、インドネシア語、日本語、ハワイ語はキョーダイ