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くらしと政治④ 平和主義と世界の中の日本

くらしと政治④ 平和主義と世界の中の日本

scene 01 日本は今何をなすべきか

今日は日本国憲法三つ目の柱、「平和主義」についてです。日本は太平洋戦争で大きな犠牲(ぎせい)をはらいました。その体験から、日本国憲法の前文には、二度と戦争を起こさないという平和への決意が記されています。また憲法第9条では、外国との争いを武力で解決しないこと、そのための陸海空軍などの戦力を持たないことを定めています。平和主義をかかげた日本が今、世界の中で何をなすべきか。まずは、世界の平和と安全の実現のために努力している世界的な組織、「国際連合」=国連について、見てみましょう。
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scene 02 平和と安全のための国際連合

世界平和のために活動する組織、国連。現在、190か国以上の国々が加盟しています。国連は、第二次世界大戦が終わった1945年に、世界の51か国が集まり、発足。一つの国だけでは解決できないさまざまな問題に、各国が協力して取り組んできました。
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scene 03 国連のさまざまな機関

国連には、問題解決のためのさまざまな専門機関があります。たとえばユニセフ(国連児童基金)。戦争や災害、飢(う)えに苦しむ子どもたちへの救援(きゅうえん)活動を行う機関です。WHO(世界保健機関)は、伝染病の予防など人々の健康を守るための活動を行っています。日本も太平洋戦争のあと食料が不足し、学校給食など15年間にわたってユニセフから援助を受けました。2011年の東日本大震災でも、被災者(ひさいしゃ)の心のケアなどの援助を受けています。
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scene 04 ドキリ★国連の一員として世界平和に貢献する

国連がさまざまな活動をするための資金は、各国が分担して出します。日本はアメリカに次いで二番目。全体の10%あまりを負担しています。また、世界各地で起こる災害や紛争(ふんそう)地域に対しても、日本は積極的に救援(きゅうえん)活動を行っています。国同士が助け合う国連の活動。平和主義をかかげる日本だからこそ、世界の平和に貢献(こうけん)することが求められています。
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scene 05 世界のための援助活動の形

たとえば100円をユニセフに募金(ぼきん)すれば、ポリオワクチンを8人の子どもに接種することができます。わたしたち個人でも世界のために援助(えんじょ)を行うことができるのです。国連以外の援助活動には大きく分けて二つの形があります。一つは、国や政府が行うODA(政府開発援助)。鉄道や橋、ダムなど大規模な開発援助や、知識や技術を海外で活かす「青年海外協力隊」の活動などを行っています。そしてもう一つが、NGO(非政府組織)。民間が行う援助活動で、地域に密着したきめ細やかな援助が特徴(とくちょう)です。このNGOの援助活動の現場を見てみましょう。
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scene 06 途上国カンボジアで

東南アジアのインドシナ半島に位置するカンボジア。近年、著しい経済成長をとげる一方で、多くの貧しい人たちが暮らす開発途上国(とじょうこく)です。カンボジア中部にあるトンレサップ湖。東京都とほぼ同じ面積の湖で、100万人もの人々が水の上に家を作って暮らしています。漁業を中心とした人々の収入は、日本円で月およそ8000円。カンボジアの中でも、貧しい家庭が多い地域です。
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scene 07  NGOが開設した診療所

ここに、欧米(おうべい)のNGOが5年前に開設した診療所(しんりょうじょ)があります。この診療所で看護師として働く日本人の前原(まえはら)とよみさん。20年におよぶ看護師の経験を買われ、一年半前からこの診療所に勤めています。大学卒業後、新生児センターで働いていた前原さん。海外で人々の役に立ちたいと、31歳(さい)のときカンボジアの小児病院で働き始めました。そのとき、無償(むしょう)で医療(いりょう)活動を行うこのNGOの存在を知り、活動に加わったのです。
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scene 08 子どもたちの栄養状態を改善したい

前原さんが今いちばん気にかけているのが、子どもたちの栄養状態です。6歳(さい)のキアちゃんは、体が弱く、この一年体重がまったく増えていません。キアちゃんの家の収入は、月3000円。村でも特に貧しく、十分な栄養がとれていません。なんとか子どもたちに栄養をとってもらう方法はないか。前原さんは、村で唯一(ゆいいつ)野菜作りをしている家があると聞いてさっそく見学に行きました。野菜は土を盛ったいかだの上で育てられていました。これならどの家庭でも栽培(さいばい)できそうです。
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scene 09 ドキリ★地域や住民に密着した息の長い援助活動を

前原さんは、村の人たちに野菜の栽培(さいばい)をよびかけることにしました。今ある条件の中で、できることを少しずつ。地道な援助(えんじょ)活動が続きます。「すごいことを一回するよりも、すごいことじゃなくてもいいからずっと続けることが大切で、“細く長く”なんですよね」(前原さん)。ともになやみ、考える。地域や住民に密着した援助活動に取り組む前原さんのような日本人が、世界各地で活躍(かつやく)しています。
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scene 10 あなたの国際協力のスタート!

今回は、憲法で「平和主義」をかかげる日本が行っている国際協力について見てきました。こうしている今も、世界には戦争や災害、飢(う)えに苦しんでいる人たちがいます。もしそれが、自分や家族だったら…。心が“ドキリ”としたとき、それがあなたの国際協力のスタートになるかもしれません。そう、よりよい未来をめざして!

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