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坂戸市に台湾・道教の聖天宮(せいてんきゅう)が。

NK、2015/6/13、引用編集

坂戸に台湾・道教のお宮。貿易商、神のお告げで建立
聖天宮は台湾でも大規模な神社として知られる

 埼玉県坂戸市に田園風景のなかにひときわ目立つ建物がある。
台湾・道教のお宮「聖天宮(せいてんきゅう)」だ。
日本に現存する中華系の神社では最大規模で、透かし彫りが施された巨大な石柱や扉など精巧な意匠が目をひく。
知る人ぞ知る埼玉県の隠れた観光スポットだ。

 東武東上線若葉駅から車で北東に5分程度の場所にある。
天門、前殿、本殿の3つの建物からなる聖天宮は田畑が広がるエリアでは格段に大きい建物。
金色の屋根に極彩色の竜や鳳凰(ほうおう)がおどる。
道教の神様「三清道祖(さんせいどうそ)」を奉り、商売繁盛や健康など様々な御利益があるとされる。

 聖天宮の建設には不思議ないきさつがある。
台湾の貿易商だった建て主の康国典さんは40代半ばに不治の病を患うが、三清道祖に祈願したことをきっかけに一命を取り留めた。
感謝の気持ちからより多くの人が祈願できるお宮を建てようと考えていたところ、神様から台湾ではなく「日本の坂戸に」とのお告げがあったそうだ。

 お宮の向きや形、名前もお告げによるものだという。
康さんは既に他界しており、なぜ坂戸市だったのか詳細はわからない。
聖天宮の総務の関根伸弘さんは「極めて感覚的なものだったのでしょう」と話す。

 台湾から一流の宮大工を呼び寄せ、15年の月日をかけ1995年に完成した。
高さ5メートルの巨大な石柱には竜や神様の彫刻が彫られ、前殿の天井は1万以上の部品をくぎなしで組み立てている。
床の石材なども含めほぼすべてを台湾で加工し、日本に輸送した。

 入間市から訪れていた年配の女性は「神社巡りが好きでもう数回来ている。すばらしいの一言」と声を弾ませる。
別の女性は「来てから悩みごとが少しずつ良くなっている。年間参拝券も買っちゃった」。
聖天宮は「パワースポット」として紹介されることも多い。

 異国情緒あふれるたたたずまいから、近年ではアニメの登場人物などにふんするコスプレーヤーたちにも人気を集めている。
都内に住むコスプレ愛好家の20代女性は「本格的どころか、本物の背景で撮影できる」と魅力を語る。
中華風のキャラクターを演じる際にはうってつけのスポットという。

 聖天宮の対応の良さも好評のポイントだ。
コスプレには大がかりな衣装が必要だが、聖天宮では専用の更衣室を用意している。
過度な露出や危険な小道具を控えるなどルールを守れば、料金を支払ってコスプレができる。
ホームページから予約が可能だ。
多い日には1日で40人ほどがコスプレを楽しみに来る。

〈ワンポイント〉
○台湾・道教流の参拝は「拝拝」。

三清道祖は神様の位が高くいくつでもお願いを聞いてくれるとされる。
お願いには具体的な報告が必要で、健康祈願であれば具合がどう悪いのか心で詳細に伝える。
時間がかかるため、線香は日本のものより3~4倍長い。
おみくじやお供えも独特な風習がある。

○聖天宮には絵画の中も含めると5000頭の竜がいる。

神の使いで、男性や皇帝の象徴とされている。
鳳凰は女性や皇后を示す。

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聖天宮  公式ページ

聖天宮  ウィキペディア

【※】道教

老子の思想や仏教もとりいれた中国の民間信仰。
霞を食べる仙人の住む中国西方山岳地域のホットスポットと聖天宮が通じているとされています。

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