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独特の内蔵(うちぐら)、まちの顔に 横手市・増田町(ますだまち)

17-2】(秋田魁新報社、文と写真・三井晃子)引用編集
家の内部に造られた「内蔵」。訪れる観光客が増えている=秋田県横手市

 秋田県有数の豪雪地帯・横手市(よこてし) 増田町(ますだまち)は、家の内部に造られた「内蔵(うちぐら)」と呼ばれる蔵を生かしたまちづくりに力を入れている。
江戸末期から昭和初期にかけ、地元の有力商人や地主がこぞって蔵を構え、代々受け継がれてきた。
一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定される見通しだ。

 内蔵は豪雪に備え、蔵そのものが「さや」と呼ばれる建物にすっぽりと覆われている。
居住スペースの奥にあり、黒しっくいの重厚な扉が特徴だ。
内装は豪華な漆塗りが多い。

 地区で確認された内蔵は約45棟。
密集して現存する地域は全国的にも珍しいという。
自宅が国登録有形文化財となっている佐藤又六(さとう・またろく)さん(74)は「先祖代々受け継いできた蔵は誇り」と胸を張る。

 通りに沿って短冊形に地割りされた敷地に切り妻造りの 母屋が並ぶが、内蔵は建物の内部にあるため、外から見ても分からない。
蔵は生活の場であり、住民以外には長い間、あまり知られていなかった。

 脚光を浴び始めたのは2005年。
地元の文化財協会が地域の記録として発刊した写真集が県内外から注目を集め、所有者の一部が内蔵を公開するようになった。
一斉公開する「蔵の日」と題したイベントも始まり、観光客が年々増えている。

 「増田まちなみ保存会」の会長も務める佐藤さんは「町並みを保存し、地域で活性化させようという機運が高まっている」と語る。
先人が残した歴史的な資源を生かして地域に活気をもたらそうと、住民主体の取り組みが進められている。


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 表通りから 母屋に入り内蔵を目にすると、一気にタイムスリップした気分を味わえる。

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