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「農村力」を 多彩な講師と合宿、論議 福井県池田町

5-1】(福井新聞社、文・森瀬明、写真・横山真一)引用編集
 日本農村力デザイン大学」で講師を囲み熱い議論を交わす参加者たち=福井県池田町。2012

「農村力」を 多彩な講師と合宿、論議  福井県池田町

 福井市中心部から約30キロ、福井県池田町はのどかな景観が広がる農山村だ。
ここで、2泊3日の講義を年間5回行う「日本農村力デザイン大学」が開かれている。
農業者、会社員、大学生、自治体職員らが県内外から集い、議論を展開。
今秋で8期目になるユニークな学びの場だ。

 「豊かな自然、先人の知恵が息づく伝承技術、相互扶助の心といった現代社会が見失いつつある貴重な価値の残る池田町こそ、人づくりの舞台になりうるのでは」。
地元住民のそんな問いかけが設立の発端になった。
農村力を「人と社会を治癒する力」と定義。
社会や自分づくりを構想(デザイン)する場として2005年に開学し、NPO法人を設けて運営している。

 学ぶテーマは農と食、ライフスタイル、社会的起業など幅広い。
「地元学」を提唱する民俗研究家の結城登美雄(ゆうき・とみお)さん、哲学者の内山節(うちやま・たかし)さんら多彩な講師を招いてきた。
副学長として企画の中心となるのは、雑誌「宣伝会議」元編集長で今は池田町に住む伊藤洋子(いとう・ようこ)さん(69)。
「聴きっぱなしでなく、議論の時間をしっかり取るのも特徴」と説明する。


 有機農法でブドウを栽培してワイン造りに取り組む永沢徹(ながさわ・とおる)さん(65)=群馬県渋川市=は開学から1回も欠かさず参加。
「講師や仲間の発言、ものの見方が自分の考えを検証、補強して勉強になる。やりたいことを実現するための知恵の宝庫」と熱く語る。

 第8期は10月6日に開講。 徳野貞雄(とくの・さだお) 熊本大教授らを講師に、さまざまな分野で議論が続く。

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出会いが触媒に
 自己啓発のセミナーではないし、カルチャーセンターとは全く違う。
参加者の学ぶ意識の高さには驚かされる。
「教室」の中にとどまらず、講師や参加者の出会い、交流が触媒となって今後、何かを生み出すのか、次の展開も楽しみだ。

日本農村力デザイン大学

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