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体験型観光、日本ならではの文化体験の充実を。2016/7/8nk社説


体験型観光、日本ならではの文化体験の充実を。2016/7/8nk社説

今後は固定客づくりや体験型観光の充実など、爆買いだけに頼らない工夫が求められる。

 訪日客の8割以上はアジアから来る。旺盛な消費はこの層が担ってきた。しかし繰り返し日本を訪れるリピーターが増えた結果、欧米人と同様、日本ならではの文化体験に関心が移りつつある。

 これまでも古民家を改装した宿、忍者、アニメなど、日本発のユニークな文化体験を前面に打ち出し、外国人の集客に成功している街がある。

 こうした「点」としての成功を「面」に広げていきたい。欧州ではドイツやイタリアなどで、州や街道の名をブランドとして売り込み、広い地域を外国人客が周遊する流れを作った例もある。地域名がブランドになれば食品などモノの輸出にも生かせる。

 こうした好循環を起こすためには、複数の自治体や、従来の観光業の枠を超えた企業や業種の協力が要る。地域の観光資源を発掘するには外国人や都会育ちの若者などの視点も有効だ。


 観光客が買い物を控える原因にはホテル代の高騰もある。手軽な施設の増設、民泊の解禁などで宿泊費を抑制できれば、その分が買い物やレジャーへの支出に回る。取り組みを急ぎたい。


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「爆買い」に頼らない観光振興めざそう
2016/7/8付

 「爆買い」などとも呼ばれた外国人観光客の消費が、円高などの影響で減速し始めた。セブン&アイ・ホールディングスの2016年3~5月期の連結決算は売上高、営業利益とも減少した。訪日外国人の消費減速による百貨店事業の不振も影響したという。

 大手百貨店5社の6月の既存店売上高も2カ月連続で前年同月比がマイナスになった。都心の旗艦店の免税品売上高が2割以上減った企業もある。百貨店をはじめ流通サービス業に与える影響は大きい。今後は固定客づくりや体験型観光の充実など、爆買いだけに頼らない工夫が求められる。

 訪日客の8割以上はアジアから来る。旺盛な消費はこの層が担ってきた。しかし繰り返し日本を訪れるリピーターが増えた結果、欧米人と同様、日本ならではの文化体験に関心が移りつつある。

 受け入れ側も発想を切り替えたい。特に地方にとっては、地域の魅力を訴え、活性化につなげる好機でもある。これまでも古民家を改装した宿、忍者、アニメなど、日本発のユニークな文化体験を前面に打ち出し、外国人の集客に成功している街がある。

 こうした「点」としての成功を「面」に広げていきたい。欧州ではドイツやイタリアなどで、州や街道の名をブランドとして売り込み、広い地域を外国人客が周遊する流れを作った例もある。地域名がブランドになれば食品などモノの輸出にも生かせる。

 こうした好循環を起こすためには、複数の自治体や、従来の観光業の枠を超えた企業や業種の協力が要る。地域の観光資源を発掘するには外国人や都会育ちの若者などの視点も有効だ。

 外国人向けの物販ビジネスで有効な道具になるのがインターネットだ。特に巨大市場の中国では、「本物」の日本企業製品を安心して買いたい人は多い。

 訪日で日本製品の良さを知った層に向け、使い勝手が良い通販サイト作りが欠かせない。それぞれの国・地域の文化を理解している人材の活用がカギになる。旅という場での売り上げだけでなく、品質の良い日用品を地道に長く使い続けてもらうことが大事だ。

 観光客が買い物を控える原因にはホテル代の高騰もある。手軽な施設の増設、民泊の解禁などで宿泊費を抑制できれば、その分が買い物やレジャーへの支出に回る。取り組みを急ぎたい。

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