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川越・愛和グループ。父親育児指南の宿泊施設
父親育児指南の宿泊施設・愛和グループ、出産後の母子と滞在
2016/7/15 nk
産科病院を運営する愛和グループ(埼玉県川越市)は2017年2月、父親の育児参加を後押しする宿泊施設を川越市に開設する。出産直後の母子と滞在し、専門家が育児や家事について指南する。父親の子育てへの意識を高め、産後の女性のストレスや疲労を軽減。育児しやすい家庭環境づくりを後押しする民間主体の取り組みだ。
開設する「パタニティ・マタニティハウス」には約30平方メートルの宿泊用の部屋を5室用意する。出産後、母子が1週間程度入院した後に父親も一緒に同施設に2泊3日で宿泊。対象は第1子の出産後に限定する。
病院グループが運営するが、医師や看護師は配置せず医療行為は行わない。産後の家族に対象を絞った民間の宿泊施設の位置づけだ。
施設では保育士や社会福祉士などの資格を持つスタッフが常駐。ミルクの作り方や、風呂の入れ方など育児に関する基本的なノウハウのほか、産後の女性のケアについても学ぶ。
宿泊後も自由に利用できる会員制の「サロンスペース」も整備。パンなどの軽食や飲み物を用意し、利用者同士が交流したり、くつろいだりできる環境を整える。グループの愛和病院での通常の分娩費用に加え15万円を支払えば2泊3日宿泊し、1年間サロンを利用できる。個室での普通分娩の場合、総額80万円程度になる。
施設はJR川越線南古谷駅に近い愛和病院の駐車場だった場所に建設する。敷地面積は約2200平方メートル、木造平屋建てで延べ床面積は750平方メートル。事業費は明らかにしていない。
産後の母親の心身のサポートをする「産後ケア」の取り組みは広がっているが、父親に焦点を当てた施設は珍しい。
産後の女性はホルモンバランスの変化などで心身に不調をきたしやすい。厚生労働省によると産後1カ月までに女性の1割弱に産後うつの疑いがあったり、産後うつに近い状態がみられたりするという。
同グループは、父親の育児参加を促すことが産後うつにともなう育児放棄などを防ぐほか、第2子出産への意欲を高める効果もあるとみる。担当者は「母親への支援には限界があり、父親も育児の主役であることを意識してもらうことが重要だ」と強調する。
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