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山形市が観光地経営組織 地銀3行出資へ、特産品やツアー開発

山形市が観光地経営組織 地銀3行出資へ、特産品やツアー開発
2017/1/27 nk

 山形市は地元金融機関や観光協会などの支援を受け、DMO(観光地経営組織)を3月に設立する。山形県上山市や天童市と連携して県内3地域の特産品やツアー商品を開発。国内の観光客向けに商品の予約や販売をするウェブサイトを立ち上げる。地銀に加え、観光客データの収集・分析をする外部の専門事業者も参加。大型DMOとして観光客誘致につなげる。

 DMOは地域ごとに観光振興の戦略の策定や推進、商品開発などを担う組織。新しく立ち上げるのは「DMCやまがた」という名の株式会社で、山形銀行、荘内銀行、きらやか銀行、山形信用金庫が出資を検討している。出資額は少なくとも合計1000万円以上。

 代表はウィラーツーリズム&コンサルティング(名古屋市)の小高直弘社長。同社は高速バス大手ウィラー・アライアンス(東京・新宿)のグループ会社。小高氏は交通関係の業界に明るいだけでなく、地域観光商品の開発や流通に詳しい。

 DMCやまがたは蔵王温泉(山形市)、かみのやま温泉(上山市)、天童温泉(天童市)の3地域の観光商品を重点的に開発する。天童温泉では天童温泉協同組合の7旅館が旅行商品の企画・販売を行う株式会社「DMC天童温泉」を設立した。かみのやま温泉、蔵王温泉でも近くDMOを設立する動きがある。

 DMCやまがたは主に3地域の地元DMOが開発した特産品やツアー商品をウェブサイト上で売る役割を担う。出羽三山神社の鏡池に鏡を奉納するツアーなど62件の観光商品を開発済み。神社仏閣での体験など地元でのネットワークをいかした独自商品を企画する。

 観光商品の予約・販売サイトの作成を専門に手掛けるエス・ワイ・エス(東京・港)も協力する。3地域の温泉旅館のウェブサイトと連携し、観光客の属性データなどを集めて分析。更なる観光客の誘致につなげる。

 これまで地域で観光に携わる事業者は特産品やツアーの商品化・販売、リピーターの獲得などを旅行会社に任せていた。DMCやまがたでは商品開発・予約販売・データ分析・リピーター獲得といった商業化の流れをすべて地元で完結させることを目指す。

 東北ではDMOの設立が増えているが、自治体が主導する例は宮城県で丸森町など4市9町がパソナと立ち上げるDMOを除き少ない。DMCやまがたは自治体主導に加え、設立当初から地銀が資金面で事業を後押しする。地銀は地元の旅館や観光施設を顧客として抱えており、観光地を巡るツアーをつくりやすくなる効果も期待される。

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