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反転授業で教育革命:講義は自宅 & 議論は教室

講義は自宅 & 議論は教室
2017/5/10付NK  を抜粋編集

 教授の講義は自宅で、ディスカッションは教室で――。全国の大学でIT(情報技術)を使った新しい授業スタイルが広がっている。授業の前までに動画を視聴し、教室では動画で得た知識をもとに、学生が活発に議論する。主体的な授業参加を促す取り組みとして、学生や教員の間でも好評だ。少子化で学生数の頭打ちに悩むなか、忙しい社会人や学習意欲の高い留学生を取り込む起爆剤としても期待が高まっている。


 「動画の速さや音量を合わせられるし、繰り返し確認できる。字幕もあってすごく助かる」

 静岡大学の大学院で工学を専攻する中国人留学生の李●(くさかんむりに止)君さん(26)は予習用に配信される講義動画に満足げだ。大教室の授業では教員の話す内容が分からなくても先に進んでしまう。自分のペースで理解できるのが魅力だ。


 伊東幸宏前学長は学生の学力向上には能動的に学ぶ姿勢が重要、ととらえている。また今は横ばいという18歳人口が急減期に入る「2018年問題」を前に、大学として留学生や社会人を積極的に受け入れ学生数を確保する考えだ。特に留学生は現在400人超だが今後4~5年で5倍の2000人にする。学習意欲の高い学生の満足度を高めるためにもネット技術は重要な役割を担う。

動画配信などのIT技術で従来の役割を反転させ「講義は自宅で、議論は教室で」を実践する取り組みは「反転授業」と呼ばれる。

 反転授業の先行組は山梨大学だ。12年度から富士ゼロックスの協力で導入し、16年度は88科目が実施した。座学中心だった工学部では授業の数日前に15~30分程度の動画を提供し、学生にはノートの作成を指示している。授業当日は講義せず、動画の理解を助けるワークシートを配るだけ。学生を少人数のグループに分け、積極的に議論させる。「授業は黙って聞く」という形式を改め、ディスカッションで知識の定着につなげている。

(南雲ジェーダ)
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【※】反転授業  Flopped Classroom

反転授業とは,授業と宿題の役割を「反転」させ,授業時間外にデジタル教材等により知識習得を済ませ,教室では知識確認や問題解決学習を行う授業形態のことを指す。

    講義→ 復習
        ↓
    予習(自学自習)→ 講義


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