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訪日客 地方に誘え 20カ国・地域ごとに対策

訪日客 地方に誘え 20カ国・地域ごとに対策
2017/6/7  nkを抜粋編集

 政府が訪日外国人(インバウンド)の地方誘致を本格化する。欧米やアジアなど20カ国・地域について国別の集客目標を初めて設け、各国のニーズにあわせた観光情報の発信を始める。政府は2020年に訪日客を4千万人とする目標を掲げるが、人気の観光地が東京や京都に集中し、欧州からの訪日客も少ない。ターゲットを明確にして日本の魅力をきめ細かく訴える。

 重点的に誘致に取り組む20カ国・地域は、米英仏独のほか、韓国、中国、台湾、タイ、シンガポール、インド、ロシアなど。日本政府観光局は年内にも国別に20年と30年の集客目標をつくり、訪日客掘り起こしの対策を打ち出す。デジタルマーケティングの専門部署も新設。各国のウェブサイトの検索データを分析し、訪日観光の潜在需要を探り始める。

 集客増には訪問先の拡大と多様な外国人客の掘り起こしが欠かせない。外国人に人気の観光地は東京、富士山、関西を巡る「ゴールデンルート」に集中。15年の訪日客の宿泊場所を見ると、東京都、大阪府、京都府が突出し、地方での滞在は少ない。

 そこで国ごとに働きかけ方を変える。例えばトレッキング、登山、温泉巡りが人気のドイツ人向けには、今夏から北海道や九州などの具体的な観光情報を発信する。ドイツ人の富裕層に照準をあわせた旅行商品の開発も始める。

 中国人向けには「口コミ対策」を強化。交流サイト(SNS)への情報発信を増やすため、多くの中国人が注目する「有名ブロガー」の組織化を試みる。ブロガーを通じ、日本の体験型旅行などの隠れた魅力を発信してもらう。夏以降に中国からの格安航空会社(LCC)の路線増も働きかける。


・16年の訪日客は前年比22%増。20年の目標達成には、今後も毎年2割前後の高い伸び率を維持する必要がある。

 観光庁関係者は「自然体では目標達成が難しい可能性もあり、地方の複数県をまたぐ観光ルートや新しい商品作りが必要だ」という。政府は2030年に6千万人の一段と高い目標を掲げており、日本の地方観光の魅力を高めることが急務だ。

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