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戒名は自分でつけていいのだ 橋爪大三郎 

戒名は自分でつけていいのだ 橋爪大三郎 

2017/11/21 nkを編集

戒名の話をしよう。

 死んだら戒名をつけてもらう。僧侶が読経し、お寺の墓地に埋葬する。それが仏教の決まりだ、と思っているひとが多い。

 はっきり言おう。こんなやり方は日本だけ。そもそも戒名なんて、インドや中国にはない。出家した僧侶が、名前をもらうことなら中国にもある。でも、在家の信徒が死んだら新しく名前をつけなさい、なんてどの仏典にも書いてないのだ。

 江戸時代に、戒名が広まった。明治になって、戦死した兵士には立派な戒名がつけられた。戦後はお寺の経営が厳しく、戒名の値段が高騰した。「お気持ちで」と言われると、多めに払わざるをえなくなる。ふだん仏教と疎遠な現代人にとって、戒名は頭痛の種である。

 さて、戒名はどうやってつけているのだろう。種本があるかも。探したらあった。『実用模範禅宗戒名集成』『日蓮宗聖語付戒名字典』『浄土宗戒名熟語法話ヒント事典』『法名・戒名作例総辞典』『真言宗戒名作例字典』ほかを購入。ウン十万円の投資である。読んだら仕組みがわかった。

「○○院△△□□居士(こじ)」が基本だ。二字熟語を三つ選ぶだけでよい。居士は在家の男性信徒、大姉(だいし)は女性信徒の意味。熟語リストさえあれば、すぐできる。そこで、『なぜ戒名を自分でつけてもいいのか』という本を書いた。各宗派対応、熟語リスト付きの戒名つけ方マニュアルだ。戒名は本来なくてよいが、現実には日本仏教の一部。ならば、この際戒名をきっかけに、仏教の理解を深めてはどうだろう。

 でもお寺とモメても困る。と思う方はやはり、お寺で戒名を貰(もら)って下さい。墓苑を今から探すのなら、この本は便利です。

【わたし(桑原政則)の場合】
・釈 政則

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