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川越の喜多院をあるけば日本の宗教がわかる。日本の宗教は神・仏教(かみほとけきょう) <川越

川越の喜多院をあるけば日本の宗教がわかる。日本の宗教は神・仏教(かみほとけきょう) <川越

天海僧正お手植えの槙(まき)


天海僧正お手植えの槇(まき)の立て札
天台宗では、神仏習合といい、神様と仏様を
同じく礼拝します。」

天台宗では、神仏習合で、神様と仏様を同じく礼拝します、とあります。
自分だけが尊いとする一神教とは、ちがいます。

最澄の天台宗は神・仏教(かみほとけきょう)です。
最澄は、比叡山でも僧侶を生み出せるように朝廷に働きかけました。
最澄の夢がかない、最澄の比叡山延暦寺は、
自前で正式な僧侶を輩出できるようになりました。

比叡山からは、すぐれた宗教家が生み出されました。

      法然の浄土宗 (1133- 1212、80歳)
      親鸞の浄土真宗 (1173- 1262、90歳)
      栄西の臨済宗 (えいさい、ようさい)(1141- 1215、75歳)
      道元の曹洞宗 (1200- 1253、54歳)
      日蓮の日蓮宗(1222- 1282、61歳)

徳川家康のアドバイザーは、天台宗の天海です。
天海が創建した上野の寛永寺は、東叡山(東の比叡山)とよばれます。
天海は、川越 喜多院の住職です。


日本の宗教は、似たり寄ったりで、
神仏習合(しんぶつ しゅうごう)です。


カミとホトケは同居です。

仏教以外の密教の神や民間信仰をも、
まぜこぜ(シンクレティズムSyncretism)です。





 山川草木  悉皆有魂
(さんせんそうぼく  しっかいゆうこん)」で、

動植物や自然にも魂があると考えます。


敷石供養塔。川越・中院

敷石を天台宗などでは、供養します。

踏みつけられて人の役に立つ敷石を、魂あるものとして供養します。
敷石供養塔(しきいし くようとう)です。
石にも、日本では、魂がある、と考えます。


本殿に「おびんづるさま」
「おびんづるさま」は「なでぼとけ」ともよばれます。
釈迦の弟子です。自分の体の悪いところと
「おびんづるさま」同じ場所をなでると、よくなります。

喜多院の本殿
慈恵大師(じえだいし)をおまつりしているので慈恵堂とよばれます。



本殿横に「大黒天」
本殿前横に「苦ぬき地蔵」
聖徳太子をまつる「太子堂」も

白山神社。830年喜多院創建の時、喜多院を加護するようにと。

喜多院の境内に仙波東照宮

喜多院前に日枝神社
日枝神社は、かつては喜多院境内にありました。

龍池弁財天(たついけべんざいてん) 【地図】

川越・喜多院には、七福神の大黒様がまつってあります。
大黒さまは、出雲大社の大国主命(おおくにぬし)と同一視されるようにもなりました。
「大黒」→「大国」で字が似ているからです。

苦ぬき地蔵もあります。

太子堂もあります。
聖徳太子は仏教を保護したため、宗派を越えて信仰の対象となっています。

多宝塔、白山神社もあります。

同じ敷地に東照宮があります。

日枝神社は喜多院の前です。

弁天様もあります。

天台宗は、密教の影響も強く受けています。
密教には多くの神々がいます。
そしてその神々の上に唯一の神がいます。

ゾロアスター教(拝火教)の影響もあるようです。

天海僧正は、徳川家康を
「東昭大権現(とうしょう だいごんげん)」
という神様にし、
260年にわたり徳川家の安泰をはかり、
日本に平和をもたらしました。

希有なことです。




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【追】神仏分離令=仏教弾圧

1868年、明治元年に神仏分離令が出され、
 廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)がおこなわれました。
仏を廃し、やめて、また釈迦の教えを毀(こわ)すような政令です。

しかし、
現代の世界は、一元主義(これだけが正しいという主張)では
行き詰まりを迎えています。
西欧社会とイスラム社会の衝突の解決には、多元主義が必要です。



東南アジアでは、古くから多数の民族、文化が比較的なかよく共存し、
国際的です。

人々は、イスラム教、仏教、儒教、アニミズム、キリスト教などを信仰しています。

2015年には、11カ国でアセアン共同体をつくりました。
世界の開かれた成長センターになろうとしています。
東南アジアのやわらかな、ものをつつみこむ価値観は、今後の世界の問題を解く鍵でしょう。

        アセアンは、急成長中で、西ヨーロッパより人口が多いです。
インドネシアだけで いずれ人口2億になります。
ベトナム、フィリピンなどは1億です。
タイは7000万です。

1神教の西欧や中東は見習ってほしいものです。

東南アジアの多神教の喧伝(けんでん)を。日本も多神教