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川越八幡宮:「ぐち聞きさま」(SS2012/9/12)


ストレス社会の新名所? 川越「ぐち聞きさま」

愚痴や悩みを吐きだして、と聖徳太子をかたどった「ぐち聞きさま」=川越市南通町の川越八幡宮
 夫婦イチョウの木など縁結びの神として知られる川越八幡宮(川越市南通町、榊原茂宮司)の境内で、聖徳太子をかたどった石像「ぐち聞きさま」が祭られ、市民らの話題になっている。10のことを聞き分けたとされる聖徳太子に悩みや愚痴を聞いてもらってすっきりしてもらうというわけだ。ストレス社会の中、新しい名所になりそうだ。
 「ぐち聞きさま」は高さ50センチの台座に約1メートルの聖徳太子が置かれている。太子は木株の椅子に座り、左手を左の耳にかざし、右手は薬袋を持っている。左耳で悩みを聞き、右手の袋から薬を施す。太子の前に参拝者用の椅子、脇にさい銭箱。木製の屋根もあり、雨の日でも参拝できる。
 構想は宮司が10年前から温めていた。神社には救いや悩み事を話しに来る人が少なくないことから、こうした人の心を癒やそうと、宮司が3年前、市内の石材店と具体的な図案作成に着手。聖徳太子の石像を造ることを決めた。7月1日に境内で「ぐち聞きさま」の入魂式が行われた。
 同宮の榊原祥光禰宜は「ここに来て、愚痴や悩み事を思いっきり吐き出してもらうことで、神様から元気をもらって前向きな日々を送れるようになれば」と話している。