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「希少糖」で未来開く 香川県三木町

【21-2】(四国新聞社・植村卓司)引用編集
希少糖入りシロップを使った給食を楽しむ子どもたち。香川県三木町の平井小学校。2014

 自然界に少量しか存在しないが、肥満や糖尿病の予防などに効果があるとされる「希少糖」
「夢の糖」として脚光を浴びる中、研究拠点がある香川県三木町では、子どもたちの生活習慣病の予防に活用したり、町おこしにつなげたりする動きが活発化している。

 希少糖による商品が誕生したきっかけは約20年前。
同町にある香川大農学部の 何森健 (いずもり・けん) 特任教授(70)が希少糖をつくる酵素を発見した。
研究を重ね、希少糖の一種「D―プシコース」に脂肪の蓄積防止や、血糖値の上昇を抑える効果があることを実証、企業や県の協力を得て量産化へとこぎ着けた。

 砂糖と同じぐらい甘いのに、体脂肪はつきにくい―。
その効果に町内の小中学校の栄養教諭らが着目。
「子どもの生活習慣病予防に役立てられるのでは」と、給食への導入に踏み切った。

 昨年末からメニューに取り入れている平井小学校では、今年1月末の給食に希少糖入りシロップをかけた「きな粉団子」が提供された。
「甘くておいしい」「蜂蜜みたい」。
子どもたちの反応も上々で、今後は希少糖の使用頻度を増やしていく方針だ。

 町も、発祥の地としてのPRに本腰を入れ始めた。
「『希少糖といえば三木町』となるように」。
昨年11月に職員によるプロジェクトチームを立ち上げ、戦略を検討している。

 2月には、ふるさと納税制度による寄付者への特典として、シロップなど希少糖の関連商品を贈る試みをスタート。
首都圏を中心に問い合わせが相次ぐなど、「予想以上の反響」と担当者も手応えを感じている。
 町は「希少糖ブランドが確立され、町全体の活性化にもつながれば」と期待している。


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 「希少糖」は未知の部分がまだ多く残されており、世界各国で研究が進行中だ。
食料品以外の分野でもすでに、環境に優しい農薬、芝生の緑化維持への応用などが検討されているという。
広い分野で「夢の糖」への期待が高まっている。

希少糖 wp

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