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地元産材をおもちゃに 沖縄・国頭村 (くにがみそん)

【21-3】(沖縄タイムス社、文と写真・栄門琴音)引用編集

木で作ったヤンバルクイナの卵が入ったプールで遊ぶ子どもたち。
国頭村の「やんばる森のおもちゃ美術館」。2014

 沖縄本島の最北端、自然豊かな国頭村 (くにがみそん) で、木を使った地域おこしが始まっている。
昨年11月、村は 辺土名 (へんとな) 地区にある村森林公園内に木のおもちゃで遊べる体験型施設「やんばる森のおもちゃ美術館」をオープン、木の魅力を伝える拠点を構えた。
目指すは、林業や観光業の振興だ。

 「ああ、いいにおい」「気持ちいいね」。
館内に入ると、木の香りで来館客の顔がほころぶ。
木で作った国の天然記念物ヤンバルクイナの卵が入ったプールや、木目がきれいな積み木。
どれも、リュウキュウマツやイタジイなど地元産材で作られたものだ。

 「やんばる」と呼ばれ、貴重な動植物の宝庫として知られる本島北部。
村は自然と共生しながら林業で栄えてきたが、国際競争の波にさらされて建築材の需要は低迷。
新たな活路を模索してきた。

 村や村森林組合などは、建築材には使えない木材を付加価値の高いおもちゃに変えることで、販路の拡大につなげたいと発案。
本島中南部から遊びに来る人が増えれば、観光業への波及効果も期待できると考えた。

 開館を機に、村は村内で生まれた新生児の誕生祝い品として、木のおもちゃを贈る取り組み「ウッドスタート」にも乗り出した。
子どものころから木に親しめば、将来の潜在需要となると期待を寄せる。
 
  宮城久和 (みやぎ・ひさかず) 村長(70)は「やんばるならではの取り組み。まずは多くの人に木のぬくもりを知ってもらいたい。それが、いずれは林業や観光業の発展につながる。経済効果だけでなく、木に触れることで人の心にもいい影響を与えられたらいい」と期待している。

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