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川越観光案内 第14回 妙昌寺(みょうしょうじ)

 川越観光案内  第14回  妙昌寺(みょうしょうじ)


川越城の裏鬼門除け。経ヶ島(きょうがしま)弁財天。 川越七福神の第七番霊場。ほうろく灸


NPO武蔵観研 会長  桑  原  政  則




妙昌寺は、太田道灌が、川越城の裏鬼門(南西)に向いていることから、鬼門除けの守護神として尊崇しました。素焼きの皿に火をつけたほうろく灸で有名です。


***地図挿入:付近地図  七福神 


妙昌寺は川越城の裏鬼門に


  妙昌寺は、かつては川越城の大手門(今の市役所)近くにありました。松平信綱の町割りで、1741年現在地に移動しました。旧・新居ともに川越城の裏鬼門にあたります。太田道灌が、鬼門除けの守護神として尊崇しました。 


 

経ヶ島(きょうがしま )弁財天で洪水封じ


  本堂脇の坂を下ると、 弁天堂が見えてきます。弁天堂の裏には新河岸川(旧・赤間川)が流れています。室町時代、赤間川はたびたび氾濫し、大きな被害をもたらしました。そこで弁天堂を建て弁財天を守護神としました。  以後、洪水が起こらなくなり、「経ヶ島(きょうがしま )弁財天」と呼ばれるようになりました。

  弁天堂の壁には、「こて絵」と呼ばれる漆喰(しっくい)絵が施されています。弁天さまや浦島太郎などが描かれています。このあたりは、蛍の名所としても知られていました。



藤色のフジバカマは秋の七草


  秋になるとフジバカマ(藤袴。秋の七草) が、弁天堂の社前をいろどります。10センチほどの房状の花が咲きます。香りがよく、平安時代の貴族たちは匂い袋にしていました。「思いやり、落ち着き」が花ことばです。



川越七福神の第七番霊場


  妙昌寺は、小江戸川越七福神の第七番「弁財天」のお堂があるお寺です。毎月1日が弁天さまの縁日となっています。



弁天さまは、七福神のなかで唯一の女神


  弁天さまは、弁舌、芸術をさずける神として、商人、芸人などの信仰を集めています。 インドの川の神様で、池や川のほとりの堂に安置されます。水音から音楽の神さまともなり、琵琶をかなでる姿が有名です。



川越七福神めぐりは6キロ  


  小江戸川越七福神めぐりは、全行程約6Kmです。毎月1日は縁日で色紙、絵馬も用意されています。川越七福神めぐり30周年を記念して、七寺は水琴窟(すいきんくつ)を整備し、外国人向けに4カ国語対応のスマフォサイトも備えました。

 水琴窟は地中に大型のかめを逆さに埋め、かめの底の穴から水が落ちると、琴のような音色が鳴る仕組みで寺ごとに音色も変えてあります。


    1.妙善寺→ 2.天然寺→ 3.喜多院→ 4.成田山→  5.蓮馨寺(れんけいじ)→ 6.見立寺(けんりゅうじ)→ 7.妙昌寺

 地図



「ほうろく灸」で無病息災  ***画像


  毎夏、土用丑(どよううし)の日には、「ほうろく灸」が行われます。焙烙とは「素焼きの皿」のことです。

ほうろく灸とは、素焼きの皿に火をつけたお灸を置き、頭の上に乗せ無病息災をお祈りする行事です。昔、炎天下で暑さ負けした武将が、兜の上から灸をすえたところ、全快したと言う話から来ています。

ほうろく灸は妙昌寺のユニークな伝統行事となっており、NHKテレビでも放映されたことがあります。 


妙昌寺からの富士山眺望の図


  妙昌寺は高台にあり、かつては見事な富士山が見えました。広く歌にも歌われるほど有名でした。中嶋孝昌の 『三芳野名勝図会(ずえ)』には、「妙昌寺富士眺望図」として収められています。



「妙昌寺富士眺望之図」  左上に富士山、右下に妙昌寺



妙昌寺の概要


山号 法眞山(池上本門寺の末寺。総本山は身延山久遠寺)

寺号 妙昌寺(みょうしょうじ)

宗派 日蓮宗(川越には他に、行傳寺、妙養寺、本應寺が。)

創建 永和元年(1375)

住所 〒350-0067 川越市三光町29(蓮馨寺の西8分。星野高校の南側

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【後記】


 本稿作成にあたり、妙昌寺の沼田正順 住職(小江戸川越七福神霊場会会長。埼玉県仏教会理事)にお世話になりました。ありがとうございました。取材・文責は桑原政則、写真は石山貞夫(川越市文化財保護協会副会長)です。 

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