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第31回 西郷隆盛・木戸孝允~明治の国づくり(倒幕運動)~

第31回 西郷隆盛・木戸孝允~明治の国づくり(倒幕運動)~

■ scene 01 強い日本をつくるために

現在の鹿児島県、薩摩藩(さつまはん)の武士であった西郷隆盛は、江戸幕府をたおして新しい政府をつくろうとしました。
なぜ幕府をたおすのか。
それは、強い日本をつくる必要があったからです。
1850年ごろの日本、外国から圧力を受けた江戸幕府は、国を開き、不平等な条約を結んでしまいました。
西郷たちは、強い外国と対等にわたりあうには、もっと日本を強くしなければならないと考えました。
そこで、薩摩藩と長州(ちょうしゅう)藩(現在の山口県)が、幕府をたおそうと立ち上がったのです。


■ scene 02 幕府に開国をせまったアメリカ

今からおよそ150年前、西郷隆盛は、江戸幕府をたおして「明治」という新しい時代をつくりました。
明治時代が始まる15年前、4隻(せき)のアメリカの軍艦(ぐんかん)が、今の神奈川県横須賀市の沖合いにやってきました。
“黒船”です。
率いていたのはアメリカ合衆国の使者、マシュー・ペリー。
開国を求める大統領の手紙を持っていました。
ペリーは幕府に、港を開き貿易することをせまります。
アメリカの強い態度と黒船の武力をおそれた幕府は、二つの条約を結びました。
しかしそれは日本にとって不利な内容でした。


■ scene 03 不平等な条約

その一つが、「治外法権(ちがいほうけん)」。
日本で外国人が罪を犯しても、日本の法律で裁くことができないというものです。
そしてもう一つが、「関税自主権(かんぜいじしゅけん)がない」こと。
物を輸入するときの税金をかける権利がなかったのです。
このような不平等な条約を、幕府は次々と結ばされてしまいます。
貿易が始まると、国内では物が不足したり、物価が上がったりして、人々の生活が苦しくなりました。
そのため、薩摩藩は外国との貿易に反対していました。


■ scene 04 イギリスと戦った薩摩藩は

1863年、薩摩藩はイギリスともめごとを起こし、軍艦(ぐんかん)から砲撃(ほうげき)を受けます。
イギリスのはげしい攻撃(こうげき)に、薩摩藩は手も足も出ない有様でした。
この戦いのあと、西郷は考えを変えます。
外国と対等に付き合うには、強い日本にする必要がある。
そのため、今の幕府をたおし、新しい国をつくることにしたのです。
各地で、幕府をたおす倒幕(とうばく)運動が起こり、はげしい戦いがくりかえされました。


■ scene 05 ドキリ★薩長同盟を結び倒幕運動を進めた

そのなかでも大きな力を持っていたのが、西郷の薩摩藩と、木戸孝允(きど・たかよし)の長州藩でした。
当初は仲の悪かった薩摩藩と長州藩を、坂本龍馬(さかもと・りょうま)がまとめます。
そして「薩長同盟」を結び、力を合わせて幕府をたおすことにしたのです。
西郷と木戸は薩長同盟を結び、天皇中心の新しい国をつくるため、倒幕(とうばく)運動を進めました。


■ scene 06 武士の時代の終わり

薩長同盟におそれをいだいた将軍・徳川慶喜(とくがわ・よしのぶ)は、1867年、将軍の職を辞退して、政権を朝廷(ちょうてい)に返します。
「大政奉還(たいせいほうかん)」です。
700年続いた武士の時代は、ここに終わりました。
しかし、旧徳川幕府を支持する人たちと新政府とのあいだで戦が起こります。
西郷はリーダーとして新政府軍を率います。
京都で始まった戦いは全国に広がり、1年半続いた末、西郷率いる新政府軍の勝利で終わりました。


■ scene 07 天皇を中心とした新しい政府

1868年、幕府をたおした薩摩藩と長州藩が中心となり、新しい政府がつくられました。
明治時代の始まりです。
木戸孝允は、明治天皇を中心とした新しい政府の方針づくりをしました。
それは、「五か条の御誓文(ごせいもん)」として世の中に示されました。
その第一条、「広く会議を興し、万機(ばんき)公論(こうろん)に決すべし」。
これは、「広く会議を開き、みんなの意見を聞こう」という意味です。


■ scene 08 ドキリ★木戸たちは新しい国のしくみを整えた

そして木戸は、日本のしくみを大きく変える改革を行います。
その一つが、「廃藩置県(はいはんちけん)」です。
大名と武士が支配してきた全国各地の藩を廃止。
代わりに府や県を置き、責任者として政府が任命した役人を派遣(はけん)しました。
政府の方針が直接全国各地に伝わるようにしたのです。
さらに、「廃刀令(はいとうれい)」を出し、武士に刀を捨てるように命じました。
そして江戸時代の身分制度を廃止し、国民はみな平等とする「四民(しみん)平等」の考え方を打ち出しました。
木戸たちの新政府は、天皇中心の新しい国のしくみを整えました。

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