『徳川時代の意義』 幕府と会津藩の関係語る

未来へ発信『徳川時代の意義』 若松で幕府と会津藩の関係語る
2016年10月07日  福島民友 highlighter 


 265年に及ぶ平和を築いた徳川時代を研究し、知恵や歴史的意義を未来に発信する「徳川みらい学会in会津」は6日、会津若松市で開かれた。基調講演や鼎談(ていだん)が繰り広げられ、市民ら約400人が徳川家と会津のつながりに理解を深めた。静岡県の静岡商工会議所、徳川みらい学会の主催、会津若松商議所の協力。

 みらい学会は徳川家康の没後400年を記念し静岡商議所が事務局となって2013(平成25)年に設立。これまで静岡県で活動してきたが、徳川ゆかりの地で学会を開こうと、静岡県外で初めて開かれた。

 1部は、同学会長・東大名誉教授の芳賀徹氏(85)が「徳川の平和」を演題に基調講演。徳川幕府が取り組んだ幕藩体制、外交政策、都市や農村の風俗画を例に、「徳川の治世は平和ゆえに円熟した文明が広がった。豊かな文化から平和を感じてほしい」と語った。

 2部は「徳川家に息づく会津の魂」をテーマに、徳川宗家18代当主の徳川恒孝(つねなり)氏(76)、会津松平家14代当主の松平保久(もりひさ)氏(62)、歴史学者・国際日本文化研究センター准教授の磯田道史(みちふみ)氏(45)が鼎談。幕府と会津松平家の関係、会津藩の武力や思想、教育などで活発な発言が飛び交った。

 徳川氏は「全国で会津だけは他と違う印象を受ける。会津の精神を守るため、子どもの教育に歴史を取り入れて」と求めた。松平氏は「『先人の遺徳を顕彰する』とは先人を学び、後世に伝えることである。子どもたちには会津藩の『什(じゅう)の掟(おきて)』を基にした『あいづっこ宣言』の精神を受け継いでほしい」と語った。

 徳川家と会津の関係は、2代将軍秀忠の子で会津松平家初代藩主となった保科正之から深まり歴代藩主が忠義を貫いた。18代当主の徳川氏は、幕末の会津藩主松平容保(かたもり)のひ孫に当たる。

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