鯖街道、日本遺産「プレミアム」に 全国唯一 /福井新聞。 <小浜市
文化庁は7月23日、若狭の海産物を京都に運んだ鯖街道を中心とする福井県小浜市と若狭町の日本遺産「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国(みけつくに)若狭と鯖街道~」を、「特別重点支援地域(日本遺産プレミアム)」に全国で初めて選定したと発表した。「日本遺産が目指すべきモデル」として新たに設けられた最上位の枠組みで、選定は全国唯一。今後、文化庁による普及啓発や情報発信で積極的に取り上げられる。
「鯖街道」は2015年度に、地域の文化財を組み合わせて観光振興につなげる日本遺産の第1弾の一つに認定された。評価制度が導入された21年度には他の地域のモデルとなる「重点支援地域」に選ばれた。
新設のプレミアムは、重点支援地域の中でも特に優れた地域に対し、予算や手続き面で厚遇する。「鯖街道」は▽地域総がかりで取り組み、観光の拠点化や商品開発など多くの成果を上げている▽文化資源を生かした地域経済の再生や、文化財の保存・活用の好循環創出など地域活性化のモデルになり得る―などと高く評価された。
15、18年度に日本遺産に認定された30件が対象となった今回の審査で、重点支援地域4件のうち「鯖街道」のみがプレミアムに選定され、他の3件は重点支援地域からも外れた。
小浜市・若狭町日本遺産活用推進協議会によると、「鯖街道」は文化庁の日本遺産に関する事業で優先的に情報発信される見込み。協議会の担当者は「海外の旅行会社へのPRなどで『鯖街道』を取り上げてもらえると期待している」としている。地元事業に対する補助率も一層のかさ上げが見込まれ、今後の継続審査時には提出資料の簡素化なども検討されるという。
鯖街道は重点支援地域の選定後、多言語音声ガイドの導入などを進め、両市町の23年の外国人宿泊者数は計約1万1千人となり、新型コロナウイルス禍前の19年の1・5倍以上に増えた。国の重要伝統的建造物群保存地区の熊川宿(若狭町)などでは、古民家を一棟貸しホテルや観光拠点として活用している。
「鯖街道」以外の29件の審査結果では、新たに2件が重点支援地域に選ばれ、18件が認定継続となった。5件は継続判断を保留し「再審査」となり、残る4件は点数評価の対象とし、新規候補1件との入れ替えも含めて検討される。
【※】小浜市は川越市の友好都市
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