2008/12/02

奥武蔵観光の広域展開を 川奥観研がシンポ


120人が参加した川越奥武蔵観光情報学研究会・シンポジウム
(下は、川奥観研が後援をいただいている『埼玉新聞』2008年11月27日の記事です。)
小川町やときがわ町、日高市、川越市などを結び、観光振興を広域的に考えようという「NPO川越奥武蔵観光情報学研究会シンポジウム」が二十二日、川越市内のホテルで開かれた。
 同研究会(桑原政則会長)は観光分野では埼玉県初のNPO法人。川越・奥武蔵地区の観光客、企業、行政、観光資源、住民をつなぎ観光情報と人間のネットワークをつくることを目的に今年四月に発足した。
 観光情報学は、新しい学問分野で、ITを使った地域観光情報の収集分析や観光ビジネスの創出などを通じ、日本の観光を根底から整備することを目指すという。
 シンポジウムは、広く観光情報学を知ってもらおうと開かれたもので、ときがわ町、日高市、鶴ケ島市など近隣市町から行政関係者や観光業者、学生ら約百二十人が集まり、期待の高さを見せた。
  桑原会長は「来年春にNHKの朝の連続ドラマ『つばさ』は川越が舞台となるが、観光分野ではまだ埼玉県の認知度は低い。まして『彩の国』は他県ではほとん ど通用しない。堂々と『観光の埼玉県』を掲げよう。研究会もこの分野で埼玉県をアピールするため『川奥観研』から『埼玉観研』に改称申請している」とあい さつ。
 記念講演では、浅草木馬館篠原演芸場二代目で東京大衆演劇劇場協会長の篠原淑浩さんが、大衆演劇の変遷をわかりやすく話した。また劔持勝・観光情報学会理事が「埼玉、広域観光の可能性」と題して講演。
  劔持さんは「観光圏とは、複数の市町村が連携して二泊三日程度の宿泊旅行客を呼び込む活動を企画・実施する枠組み。観光を他国・他地域との『貿易産業』と してとらえ、いかに地域に来てもらうかという視点が大切。埼玉は、ほとんどが日帰り客で、滞在してもらうにはそれなりの地域力が必要」と強調。豪州からの 観光客誘致に成功した北海道ニセコの舞台裏の努力を紹介し、観光が奥武蔵地域の一大産業になる可能性を示唆した。
 第二部では会員十五人がそれぞれの研究成果を三分間ずつ発表した。同研究会は「約三十人の会員発表を準備したが半分にとどまった。観光での地域おこしを目指し、会員の研究成果を発表する機会を近いうちに持ちたい」と話している。