ボランティアによる体験講座でセンサーで自走するロボットに見入る子どもたち。2014 |
夏や冬、春の学校の長期休みになると、各務原 (かかみがはら) 市の老人保健施設「サンバレーかかみ野」には、子どもたちの明るい声が響く。
施設を運営する特定医療法人・社会福祉法人「フェニックスグループ」が開く学童保育事業「かかみ野学童クラブ」だ。
ボランティアによる工作や料理講座などの多世代交流事業を通じて、子どもたちとお年寄りが触れ合い、地域の絆の再生を目指している。
フェニックスグループは、市内で特別養護老人ホームなど21施設を運営する。
約370人の従業員のうち約8割を女性が占める。
事業所内に託児所を設け、多様な勤務制度を導入するなど、仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組み、昨年11月には、内閣府の「子どもと家庭・若者応援団表彰」で内閣総理大臣表彰を受けた。
2011年7月に始まったかかみ野学童クラブも、こうした取り組みの延長線にある。
職員向けの学童保育として始めたが、地域にも利用を呼び掛けた。
有料で1日約20人を受け入れるが、共働き家庭からのニーズが高く常に定員はいっぱいだ。
子どもたちはお年寄りとの歌や手遊びなど施設の活動にも参加。体験講座では料理や英会話、絵手紙、手品、ロボット作りなど多彩なメニューをボランティアから教わる。
卓球大会や農業体験など、福祉施設を拠点とした行事も開かれ、世代間の交流を深めている。
事業を支えるボランティアには約700人が登録し、年間延べ約3500人が活動する。
長縄伸幸 (ながなわ・のぶゆき) 理事長(66)は「今後も地域の絆や支え合いの輪を広げたい」と語る。
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