2016/10/31 nt 。一部編集
/出典:mainichi |
■平均3万人動員
例年伸び悩むシーズン序盤に動員を押し上げたのが5月に行った北海道新幹線とのタイアップ企画だった。3日間限定で入場者全員に限定ユニホームを配布するなど約1カ月に及ぶイベントは球団がJR北海道に持ちかけて実現したもの。今季、札幌ドームでの平均観客動員数が3万人を超える要因になった。
ファンをひき付ける仕掛けを打ち出す事業部門は多くが外部からの招請で、親会社からの出向組はほとんどいない。今回の企画を主導したのも球団採用の職員だ。スポーツマーケティング会社出身者を本部長に据え、元商社マンや交流サイト大手の元社員らが要職に就き、事業を切りまわす。
移転時から組織改革を進めてきた島田利正球団代表は「時代の流れに合わせ、時には先取りしなければ。野球界に漬かっていない人の方が斬新なアイデアを持っている」と語る。「婚活シート」などこれまで行った先進的な試みは枚挙にいとまがない。ニーズを捉えたイベントの積み重ねがファンに受け入れられた。
吉村浩ゼネラルマネジャー(GM)はプロ出身ではなく、かつて米デトロイト・タイガースのGM補佐だった。引退した選手の「再就職先」のイメージも強いスカウトにも、日本IBMを経て高校教諭から転身した大渕隆スカウトディレクターを筆頭に元教員が在籍する。「スカウティングと育成」を強化の柱に掲げる中で複眼的に選手を評価して個性豊かな集団をつくりあげてきた。
「多様な選手を採るには我々も多様でないといけない」と大渕氏。野球の技術だけでは、プロとして大成はおぼつかない。壁にぶつかったときに自ら道を切り開く問題解決能力が必要。大渕氏いわく「自分で考え、表現する人間力」を見抜くには「元プロの目だけでは足りない」。それを補う教員らの眼力、というわけだ。
■外部人材を登用
今季のレギュラーは外国人を除いて生え抜きばかり。大谷のみならず、西川や中島ら若手の活躍でたどり着いた日本一は、多様な物差しで選手をはかる球団の思想が実ったものだ。
運営・編成面で親会社の意向をうかがう球団は今もある。独立経営を掲げる日本ハムにその縛りはない。島田球団代表によると、それは親会社の「懐の深さ」のおかげ。北海道移転を機にフリーハンドを与えられた球団は、外から人材を積極的に登用した。「既成概念にとらわれずに新しいことに挑戦できた」と島田代表。日本一になったユニホーム組を、多様な履歴と思想を抱えた背広組がしっかりと支えている。(渡辺岳史)
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