静岡県、観光戦略に統括組織…静岡ツーリズムビューローを設置
2017年01月26日 yomiuri
◇ブランド力向上など
県観光協会(静岡市駿河区)内に、県全域の観光戦略のかじ取り役となる組織「静岡ツーリズムビューロー」が25日設置され、川勝知事や関係者が出席して開所式が行われた。今後は、民間の力も取り入れ、外国人観光客のさらなる誘致に向け、市場調査や戦略的プロモーションなどを行う。
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観光庁などが推進する「日本版DMO」(観光地域作り推進法人)の機能を果たすため、県が主体となり、開設した。
従来の観光協会では、県が立案した事業の実施といった「受け身」の取り組みが多く、地域の住民や農林漁業、商工業などの関係者を巻き込んだ取り組みや、来訪客に関するデータの収集や分析が不十分だという課題が指摘されていた。
新組織は観光地としてのブランド力の向上や効果的な宣伝活動など民間の手法を取り入れるため、外部から公募で総括責任者などを招いた。当面は6人体制で、観光戦略の策定やマーケティング調査を行うほか、県内5地域で設置の検討が進む地域DMOや各市町の観光関係者らとの連携を図る。
県内の宿泊施設への外国人の延べ宿泊者はインバウンド(訪日外国人客)が好調で2014年の78万人が15年は174万人と倍増した。県は17年に230万人、19年には350万人とする目標を掲げている。ただ16年は、10月までの調査では15年の同時期より減っており、勢いに陰りも見られる。今後、目標に近づくためには様々な工夫が求められる。
開所式で、川勝知事は「科学的に分析し、静岡の魅力を内外に発信していく取り組みで、大きな期待を寄せている」と述べた。
公募に応じた241人から総括責任者に選ばれ、今月就任した府川尚弘さん(45)は観光のコンサルティング会社からの転身。府川さんは「地域の方々が自信を持って準備した旅行商品を、売るための販路、買いたくなるような市場環境を作ることが大きな目標だ」と抱負を話していた。
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