「地方場所の土俵は滑る」力士ら不満、国技館と同じ川越の土を

「地方場所の土俵は滑る」力士ら不満、国技館と同じ川越の土を 
鈴木健輔2017年8月29日 asahi

 大相撲で年3度ある地方場所の土俵に、東京・国技館と同じ土が使われることになった。「地方の土俵は滑りやすい」という力士の不満に日本相撲協会が配慮した。国技館で使っている土の産地、埼玉県川越市から約45トンを場所前にトラックで運びこむという。今年11月の九州場所から始める。

【荒木田土(あらきだつち)】
 国技館の土俵は園芸や壁土にも使われる「荒木田土(あらきだつち)」で、粘り気があり、大きなひびが入りにくいのが特徴という。一方、大阪、名古屋、福岡である地方場所では現地近くの土を使っているが、担当者は「西に行くほど赤土が混じる傾向にあり、滑りやすい。大きなひびが入る恐れもある」。7月の名古屋場所では取組中に土俵の一部が崩れるトラブルがあったという。

 改善してほしいという力士の要望は何年も前から上がっており、尾車事業部長(元大関琴風)は今回の決定について「ケガもするし、回避してあげないと。一番大事な舞台だから」と説明した。

 荒木田土はかつて東京都内の川近くで採取できたが、開発が進むにつれて採取場所が変わり、いま国技館で使うのは、川越市の土。国技館では場所前に呼び出しが土俵の表面を削り、新しい土をのせて、たたいて固めるが、地方場所では6・7メートル四方の土俵を土台から作り直すため、1場所ごとに約45トン必要になるという。(鈴木健輔)

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