プロに学ぶ行楽の心得。地元の人に教えてもらう。

プロに学ぶ行楽の心得 ガイド本より地元の声 
2017/7/31付 を抜粋編集

 働き方改革で休みを充実させようという機運が高まるなか、行楽地など出先では安全、快適、効率的に楽しいひとときを過ごしたいところ。「名幹事術」を、旅行会社の添乗員やライフセーバーなど、その道のプロから学んだ。

●旅の計画

 「旅先の夕食は、必ずしも宿でとる必要はない」。こう語るのは日本旅行西日本営業本部担当部長の平田進也さん(60)。「おもしろ旅企画ヒラタ屋」の「屋号」で個性的なツアーを打ち出す現役添乗員だ。企画中の「京都1泊2日、2万円ぽっきりツアー」を例に、旅程作りのコツを教わった。キーワードは「旅はメリハリ、移動ではなく感動」だ。

 宿は修学旅行も扱う大型旅館で素泊まり、夕食は老舗料亭で懐石料理、朝食は旅館近くの外資系ホテルで高級ブレックファスト――。一見ばらばらな組み合わせも、予算と満足度を検討した結果だ。

 平田さんは「一般に旅館の食事付きプランの場合、食材の原価は料金全体の15~20%が相場」と分析する。例えば同じ予算で2万円のプランならば、原価3千~4千円の食材を旅館で食べるか、素泊まりにして差額分で「外食」するか、の選択になるという。

 「懐石料理を食べて大浴場で汗を流せば、あとは寝るだけでも満足。目覚めたら高級ブレックファストも待っている」(平田さん)。メンバー構成や重視する要素によって事情は異なり、実現性は人脈や情報量にも影響されるが「旅の夕食は宿で」と思い込んでいた人には斬新な発想だ。

 「本当のガイドブックは地元にある」というのも平田さんの経験則。「ガイドブックは編集上の制約もある」「行政の観光案内所は平等主義で無難になりがち」ときっぱり。「観光名所も飲食店も、地元の人に『大切な友人を連れて行くならどこですか』と教えてもらうのが一番」という。

 高齢者や子供連れだと、いざ目的地に向かってみたら休憩場所がなかったり、想像以上の急勾配だったりで後悔するケースも少なくない。そんな場合も地元の人に遠慮なく尋ねるべきだという。平田さんは「遠慮が旅の値打ちを下げる。会話は無料」と笑う。

(後略)

(嘉悦健太)

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