くらしと政治② 国民主権と国会・内閣
scene 01 国民主権を実現する仕組み
前回はわたしたちに身近な市役所の仕事について勉強しました。今回からは国の政治の仕組みについて考えます。そこで大切なのが、「憲法」です。憲法は政治のあり方や仕組みなどを定めている、国の最高の決まりです。現在の日本国憲法には大きく三つの柱があります。国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義。3回に分けて、この憲法の3本の柱について見ていきましょう。まず、国民主権。国民が主役となって国の政治を動かしていくという考え方です。国民主権を実現するために日本にはどんな政治の仕組みがあるのか。その一つが、「国会」です。
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scene 02 国民の選挙で選ばれる国会議員
東京都千代田区にある国会議事堂。国会は、この場所で開かれます。国会は主に、法律をつくるための話し合いの場で、多数決により物事を決めます。「国会議員」は、国民の選挙によって選ばれます。満20歳(さい)以上の国民はみな、選挙で投票する権利「選挙権」を持っています。候補者は、どのような政治をめざすのか政策をうったえます。国民はそれを聞いて、どの候補者が自分の意見に近いか考え、自分が選びたいと思った候補者名や政党の名前を投票用紙に書き、投票します。選挙で選ばれた国会議員は、国民の代表として、国民の意思を尊重した仕事を行うのです。
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scene 03 歴史にドキリ★豆知識
日本では明治時代の1890年に初めて選挙が行われました。25歳(さい)以上で、多額の税金、当時の15円以上を納めた男性だけに選挙権があたえられました。その結果、選挙権を持てたのは、全人口の100人に1人くらいでした。
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scene 04 選挙で選ばれた国会議員が政治を進める
国会は衆議院と参議院に分かれていて、定員は、衆議院が480人、参議院が242人です。任期は、衆議院で4年、参議院で6年です。衆議院は解散がありますが、参議院はありません。二つの議院で話し合うことで、政治の方向を慎重(しんちょう)に決めていく仕組みです。選挙で選ばれた国会議員が慎重に政治を進める。こうした仕組みが、国民主権を実現させるのです。
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scene 05 法律をつくる大切な仕事
みんなが読む本や、食べものや、身につけるものなど、ものを買ったときに支払(しはら)わなければならないのが消費税。そのほか、赤信号では止まる、未成年はお酒を飲んではダメなど、これらのことはすべて「法律」で決められています。法律とは、わたしたちの幸せを実現するためにみんなが守らなければならないルールのことです。この法律をつくるのが国会の大切な仕事で、国会だけが法律をつくることができます。さて、2011年3月11日に発生した東日本大震災(しんさい)。現在、復興のためさまざまな工事が行われていますが、これは国の予算を使って行われています。
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scene 06 ドキリ★国会が法律や予算などを決める
国民が納めた税金の使い方、国の「予算」を決めるのも、国会の役割です。たとえば、災害などが起こると国会議員はその場所に出向き、被害状況(ひがいじょうきょう)の確認や人々の要望を聞いて、必要な予算を考えます。そのほか、国民の健康や生活を守る社会保障費、公共の施設(しせつ)をつくる費用など、日本の予算は一年間でおよそ95兆円になります。国会には国民が選挙で選んだ代表が集まり、法律や予算などを決めます。
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scene 07 内閣の最高責任者「内閣総理大臣」
さて、国会で法律や予算が決まりました。これらを使って具体的に仕事をするのが、「内閣」です。そして、この内閣の最高責任者が、「内閣総理大臣」です。ところで、日本で最初の内閣総理大臣といえば?…。1885年、日本の初代内閣総理大臣に就任したのが、伊藤博文でした。
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scene 08 ドキリ★内閣は法律や予算に基づき国の政治を行う
内閣総理大臣を決めるのも、国会の大切な仕事です。国会によって選ばれた内閣総理大臣は、それぞれの専門分野を担当する国務大臣を任命し、内閣をつくります。内閣は、国会で決められた予算を使って、法律に従い、仕事を進めます。内閣のもとには、専門分野に分かれた府や省庁が置かれ、国の政治を行います。内閣は、国会で決められた法律や予算に基づき、国民の暮らしを支える仕事を行います。
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scene 09 憲法の三つの柱…
今日は、憲法の三つの柱の一つ、国民主権について学びましたが、ほかの柱を覚えていますか。次の柱は…。
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