AI(人工知能)は生活を楽しくする 野口悠紀雄さん
2017/2/25 nkを抜粋編集
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人工知能(AI)が飛躍的に進歩し、人間の知的活動の多くをAIが代替する時代が来ようとしている。この先、人間はAIに比べ知的劣位に追いやられるのだろうか。だとすれば、人間が知識を保有する意味はどこにあるのだろうか。経済学者の野口悠紀雄さん(76)は「AIの進化は、人間が知識を持つことの意味を根本的に変える」とみる。
■使いこなすうえで、年齢は関係ない
「AIはとんでもない技術と思っている人が多いですね。中には人間を支配すると警戒する人もいる。確かに高度な技術ではありますが、身構えることはありません。専門家だけでなく、我々が普通に使いこなすことができる。その意味で、すごい技術なんです」
「産業革命の時代に肉体労働の多くが機械に代替された。人間は苦痛を伴う肉体労働から解放され、より人間らしい活動に集中することが可能になった。同じように知的活動においても、コンピューターにできることはコンピューターに任せ、人間は人間にしかできない作業により多くの時間をかけることができる。そう考えれば、AIを警戒する必要はまったくありません」
「AIはすでに生活に入り込んでいます。例えば、音声入力です。スマートフォン(スマホ)で、文章を吹き込むと、そのままテキストデータになる。私はほとんどこのやり方で原稿を書いています」
AIというと、高齢者には縁遠いものと思われがち。だが、「思い込みにすぎない」と言う。音声入力をすればキーボードの操作はいらない。パソコンやスマホが苦手な高齢者でもできる。
「文章を書く際の壁が低くなる。何もない白紙の状態から始めるのは大変です。音声入力で頭に浮かんだことを次々に吹き込む。文章は断片的なままでいい。後から手をいれればすむ。歩きながら、あるいは寝っ転がったまま、スマホに話しかければいい」
(シニア・エディター 大橋正也)
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