フィリピン経済、政情安定で成長軌道に
2017/4/4 nk を抜粋編集フィリピン経済は栄枯盛衰の歴史だ。1898年まで333年間のスペイン統治下で中継貿易の拠点として発展。後を継いだ米国や日本の統治から1946年に独立すると、東南アジアでいち早く工業化を進め、農産品の輸出も伸びた。
状況が変わったのは65年にマルコス政権が発足してから。72年に戒厳令を布告して反対派を弾圧するなど国民の政治的自由を制限して経済発展を優先する「開発独裁」の体制を敷いた。大統領に近い資本家への利益誘導が目立ち、汚職体質が深刻になっていった。
対外債務が膨らみ、80年代には財政が悪化。政情も混乱しマイナス成長に陥った。1人あたりGDPで韓国やマレーシア、タイなどに次々抜かれ「アジアの病人」と呼ばれるようになった。86年の「ピープルパワー革命」でマルコス政権が崩壊し、再び民主化の道を歩み始めたが、政情はなかなか安定せず、緊縮財政下で経済停滞も長引いた。
再び成長軌道に乗せたのは2010年に発足したアキノ前政権だ。
グローバル化とIT(情報技術)化の波に乗り、英語が公用語の強みを生かしてコールセンターやソフト開発などの受託サービス産業が伸びた。
10年以降の成長率は年平均で6%を超え、1億人の人口と相まって、アジア新興国で最も注目される存在に躍り出た。
その半面、汚職や経済格差、インフラ整備の遅れなどはなお課題だ。
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