2017/11/06

AI(人工知能)研究で、アセアン勢、シンガポール優勢に

AI(人工知能)研究で、アセアン勢、シンガポール優勢に

日本は不振、∵
  • 国内に引きこもる研究者
  • 英語力の不足
  • 研究者に雑事が多い

シンガポールでは、
  • 南洋工科大学が、世界2位。
  • シンガポール国立大学が、13位。

AI研究、世界で競争 マイクロソフト首位 育つ人材、アジア勢上位 
2017/11/3付 日本経済新聞  を抜粋編集






 日本経済新聞と学術出版大手エルゼビア(オランダ・アムステルダム)が分析した人工知能(AI)に関する世界の論文動向から、研究開発競争の実態が明らかになった。質の高い研究の指標として論文が引用された回数(2012~16年)を機関別に1000位まで集計すると、大学中心の中国が躍進する一方、米国はマイクロソフトやグーグルなど企業の存在感が際立つ。進歩が速く「知の総力戦」とされるAIの研究開発で、日本の産学は後れをとる。

 トップ3は1位にマイクロソフト、2位にシンガポール・南洋工科大学、3位に中国科学院となった。

【※】日本勢
東大64位。マラヤ大学は61位で東大より順位が上。

 米国は、囲碁AI「アルファ碁」などを手掛けるグーグル(8位)、AI技術「ワトソン」を扱うIBM(47位)に勢いがある。論文に象徴される基礎研究でも企業の存在が際立つ。

 裾野も広い。半導体大手インテル(425位)のほか、半導体大手クアルコム(834位)や画像処理半導体のエヌビディア(953位)がAIとの相乗効果を狙う。

 日用品・製薬大手のジョンソン・エンド・ジョンソン(814位)など業種の垣根を越えて、AI研究へ乗り出している様子がうかがえる。

 中国は政府主導による主に大学への研究開発投資が好循環を生む。AIのような旬な研究は論文が引用されやすく、優れた人材が育っている。企業では華為技術(ファーウェイ=936位)が顔を出す。

 シンガポール国立大学(13位)の健闘も光る。「シンガポールは海外の優秀な研究者を引き抜いて強化している」(日本学術振興会の安西祐一郎理事長)。

 米国の大学などから有能な研究者を招いているとみられる。IT(情報技術)にふさわしい研究環境を整え、人材確保で研究水準の底上げを狙っているようだ。

 マレーシアのマラヤ大学(61位)やマレーシア工科大学(100位)も上位に食い込んだ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術戦略研究センターの松田成正統括研究員は「英語を話す人が多い。(英語の表現に慣れており)論文の引用件数で有利に働いているのではないか」と分析する。

 AIはコンピューターや理論を扱えれば、参入が比較的容易だ。新たな産業革命につながる期待があり「アジアの研究水準の急伸につながっている」(松田統括研究員)という。

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