観光おこしには、巨大な施設などの「ものづくり」が必要です。
しかし、お金をかけない「ものがたり」も、観光資源になり観光客をよぶことができます。
この読み物がその一助になることを期待しています。
川越・喜多院の住職天海さん(1536-1648)は江戸の町を、風水、神道、仏教、儒教、陰陽道(おんみょうどう)、呪術、民間信仰で設計し、守りを固めました。
風水とは、環境学、地理学、天文学、哲学、宗教をあわせた快適生活学です。
そのころの最新の学問でした。
陰陽道とは陰と陽で物事を占う術です。
いま江戸時代が見直されています。
江戸時代が明治の近代化を用意しました。
江戸時代は、外とのつきあいはひかえ、いわば受験勉強まっしぐらで基礎力をたくわえた平和で文化的な時代でした。
この260年ほどの平和な時代の設計者が天海さんです。
天海さんを通すと、江戸時代が身近になり、歴史がおもしろくなります。
これ以降は、天海さんを天海と敬称なしでよびます。
それでは天海ワールドに入っていきましょう。
観光を勧める読み物ですので、わかりやすさをモットーにしました。
伝説伝承に基づく記述もあります。
* * *
天海物語 目次