「アニメ聖地」88カ所発信 公募で選定へ 観光に一役


「アニメ聖地」88カ所発信 公募で選定へ  観光に一役
2016/9/17付nk highliter

 KADOKAWAは16日、JTBや日本航空などと共同でアニメーションにちなんだ観光客誘致を目指す一般社団法人「アニメツーリズム協会」(東京・千代田)を設立したと発表した。アニメや漫画の舞台となった場所を「聖地」と呼んで訪問するファンが増えていることから、88カ所の「アニメ聖地」を選び、2020年には国内外から年400万人の誘客を目指す。


 12月まで雑誌やサイトを通じて一般の人たちからアニメ聖地の候補を募集する。日本語のほか英語や中国語、タイ語、マレー語でも応募できるようにして、海外のアニメファンの関心を高める。投票結果を基に対象地域の自治体などと協議したうえで、17年中に88カ所を発表する。

 アニメや漫画のファンの間では「聖地巡礼」と呼んで、作品に登場する場所を訪れることを楽しむ人が増えている。

 例えば女子高生が主人公のアニメ「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の舞台となった茨城県大洗町ではファンの来訪が続く。東日本大震災で落ち込んだ観光客の回復にも一役買っており、何度も訪れるうちに移住を考える人も出ているほどだという。

 現在公開中のヒット作「君の名は。」も東京・新宿などの風景が写実的に描かれた。岐阜県飛騨市をイメージした描写もあり、同市はホームページなどでPRしている。

 しかし、舞台となっていても、著作権などの関係でアニメを観光振興に利用できなかったり、告知が不十分だったりして客を十分に呼び込めていないケースもある。協会は地域がアニメを観光資源に活用しやすいように、アニメ関連企業とつなぐ役割をする。さらに、著作権など権利使用の申請を支援したり、アニメを使った町おこしのノウハウを提供したりする。

 協会の理事長にはアニメ「機動戦士ガンダム」の監督である富野由悠季氏が就いた。KADOKAWAの角川歴彦会長は「日本のサブカルチャーは世界で大きな存在感を持っている」と強調。訪日客の地方都市などへの誘致にも大きな力を発揮すると期待している。

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