屋台村、地域の夢託す 高崎市「高崎田町屋台通り―中山道恋文横丁」

11-2】(上毛新聞社、文と写真・小沢宜信)引用編集
入り口に取り付けられた大きなのれんが、高崎田町屋台通りの目印。2013

 群馬県高崎市の中心街に屋台村「高崎田町屋台通り―中山道恋文横丁」が2009年12月にオープン、間もなく3年半を迎える。
「まちなか」のにぎわいの復活や地元食材を使った地産地消の促進、起業家支援など、さまざまな思いが詰まった場所。
ワインバーや韓国料理、焼き鳥といった多彩な屋台は、幅広い世代の人気を集めている。

 田町通りに面した約950平方メートルの敷地に、調理場やコの字形カウンター、客席9席を配した約10平方メートルの「屋台」が20軒並ぶ。
当初、営業を始めたのは8軒だったが、現在は15軒に増加。
残る屋台も店主を募集中だ。
周辺の既存店からは「自分の店の客足も増えた」との声が上がり、波及効果も広がる。

 屋台村は、高崎青年会議所のメンバーら有志が「LLP(有限責任事業組合)高崎食文化屋台通り」を結成して運営。
民間から資金を集め、LLPに運営資金を提供するファンド会社も同時に設立した。
力を合わせて、地域経済を後押ししたいとの願いがこもる。

 それだけに、将来の独立を考える起業家支援も、屋台村の重要な役割の一つだ。
オーナーに雇われた店長が店舗経営の"修業"を積み、独立したケースも生まれている。

 地元食材を使った料理を、1品以上提供することも共通ルール。
LLP代表の原寛(はら・ひろし)さん(39)は「ここへ来れば群馬の食材に出合えるというのが、スタート時からのコンセプト」と説明する。

 「地元食材にもっと光を当てたい」と、原さんの夢は広がる。屋台で新鮮野菜を味わったことをきっかけに、産地の山間部に足を運んでもらえば観光にも貢献できる。食材の販売ルート開拓と合わせ、新たな目標を見据えている。

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