金田一耕助の姿で、横溝正史ゆかりの場所を巡るファンら。2012 |
名探偵気分で散策を 横溝正史ゆかりの倉敷市
羽織はかまにマント、ソフト帽―。
名探偵金田一耕助(きんだいち・こうすけ)に扮(ふん)したファンが各地から集結し、金田一を生んだ推理作家横溝正史(よこみぞ・せいし)(1902~81年)の疎開宅など、ゆかりの岡山県倉敷市真備町(まびちょう)地区を巡る。
毎年秋に行われている仮装イベントだ。
行政と住民が連携し、金田一にちなんだ地域の魅力を発信している。
第2次大戦末期から約3年半、横溝は岡山県に暮らす義姉の勧めで真備町地区へ疎開した。
住民との交流や見聞きした古い因習を基に「獄門島」などを執筆。
その後も「八つ墓村」など同県が舞台の作品を出した。
倉敷市は、伝統的町並みの美観地区などで知られる観光都市。
だが最近の観光客は年間500万~600万人台で、ピーク時の6割前後にとどまる。
滞在時間の短さも悩みだ。
新たな観光開発として、市は2009年に官民でつくる実行委員会を組織。
「巡(めぐる)・金田一耕助の小径(こみち)」と名付け、特色ある行事を展開している。
仮装イベントでは、金田一の初登場作品「本陣殺人事件」の関連施設も訪ねる。
11年の横溝没後30年、12年の生誕110年には作品の登場人物らの像6体を地区に設けた。
地元住民も協力。
登場人物の衣装で野外劇を披露するなどして来訪者をもてなしている。
横溝正史疎開宅の管理組合長片岡忠(かたおか・ただし)さん(75)は「イベントなどを通じて訪れる人が増えた」と喜ぶ。
市観光課の吉田守(よしだ・まもる)課長(53)は「観光客が長く楽しめる倉敷にしたい」。
今年は金田一生誕100年。
さらにイベントを充実させる計画だ。
仮装イベントは11月23日に行う。
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