2018/01/08

家事代行、個人間を仲介。シェア経済に商機

家事代行、個人間を仲介 シェア経済に商機 

エニタイムズ、専門業者より割安 タスカジは永住の外国人活用
2018/1/8付 nkを抜粋編集

<まとめ>

エニタイムズ        家事。語学の指導
タスカジ               家事
クラウドワークス    資料作成など
ココナラ                  似顔絵などを売買
メルカリ    資格取得や料理など


スタートアップ企業が家事代行の仲介サービスを拡大させている。企業が個人に提供していた家事代行業に個人同士を結ぶシェアリングエコノミーの事業モデルを持ち込み、価格や使い勝手の良さで競争力をつけた。ライドシェア(相乗り)や民泊と異なり、サービスを阻む規制が少ないことも成長の要因だ。


 「自分が子育て中に助けてもらいたかった経験から役に立ちたいと思った」。東京都目黒区に住む保育士の仲宗根美幸さん(47)は、エニタイムズ(東京・港)を通じて働き始めた理由をこう振り返る。仕事帰りなどに同社のサービスを通じて知り合った家庭で料理や掃除をする。多いときには月に3~4回働く。

 エニタイムズは登録者が自由に料金を設定し、家事や外国語の授業、手芸などを提供する。2013年の創業当時は家事が大半だったが、現在その比率は6割に下がっている。家事の場合、料金は1時間2000~2500円が多いという。

 角田千佳社長は「近所のつながりでお互いを助け合うような仕組み」と説明する。登録すれば、提供者にも依頼者にもなれる。現在の登録者は約3万5000人。

 仲介する家事代行は専門会社のサービスより割安で、多忙な人の利用が多い。都内で自営業を営む30代男性は2週間に1度、床やキッチンの掃除を頼む。「個人だと雑談しながら相談しやすい。仕事もはかどって助かっている」と話す。

 家事のプロに仕事を依頼したい人を登録者に取り込むため、家事代行会社とも提携した。角田社長は「インフラと呼ばれるために登録者を1000万人まで増やしたい」と意気込む。将来の海外展開も視野に入る。

 13年創業のタスカジ(東京・港)は家事に特化したサービスで違いを打ち出す。定期利用の契約もできる。利用者の3分の2が定期利用する。

 提供者は750人と1年で2倍強に増えた。4割がフィリピン人を中心とする外国人だ。永住権を持たない外国人の家事代行は15年末に国家戦略特区で解禁されたが、永住権を持っている外国人はもともと合法だった。タスカジは外国人が登録する際に身分証明書を確認して合法的にサービスを提供している。

 料金は3時間4500~7800円の6パターンに分かれ、提供者が自分のスキルに応じて選択する。利用者は2万5000人と1年間で約3倍に増えた。人手不足を背景に供給を上回るペースで需要が伸びている。和田幸子社長は「需要はあったが、安全性の懸念や家事を他人に頼む罪悪感があった。それが解消されてきた」と話す。

 通常の家事代行は提供会社がサービスの質を担保しているが、シェアの場合は個人によって提供できるサービス内容が異なる。エニタイムズは提供者と利用者が相互評価する仕組みを導入。タスカジは利用者が提供者を評価する。提供者がタスカジに登録するためには面接や動画研修、実習テストを通過する必要がある。

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語学・料理もスキル共有

 個人のスキルをシェアするサービスが消費者に浸透している。フリマアプリ大手のメルカリ(東京・港)は会員同士が語学やプログラミングといった個人のスキルを教えるサービスを2018年春に始める。資格取得や料理も対象で、1時間単位から利用できる。メルカリが乗り出してきたことでスキルシェアの市場は一気に拡大しそうだ。

 より専門的な仕事の仲介も一般的になっている。クラウドソーシング大手のクラウドワークスはインターネットで仕事を受発注できるサービスを提供し、登録者は180万人に上る。企業22万社のほか経済産業省なども仕事を依頼している。

 ライドシェアや民泊では規制緩和が普及のカギになる。だがスキルの分野ではサービス全体を禁止する規制や既存の業界による反発は大きくない。コンサルティング大手のPwCコンサルティング(東京・千代田)の野口功一氏は「成長性が最も大きいのはスキルのシェアだ」と強調する。

 情報通信総合研究所(東京・中央)の試算では16年の国内シェアサービス提供者が得た収入は約1兆1800億円。そのうちスキルのシェアは約750億円で、潜在的な市場規模は約2400億円に上る。人手不足で企業が人材を採用しにくくなる一方、個人の空いた時間を活用した働き方が今後も広がりそうだ。
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