タイ最大の企業、日本の食卓変える。 華僑人脈でグローバル展開 タイ・CPグループ会長 タニン・チャラワノン 氏(1) 「私はCP(チャロン・ポカパン)グループ会長のタニン・チャラワノンと申します。CPは タイで一番大きな民間企業グループ であり、畜産などの 農業・食品 、 コンビニエンスストア などの小売り、 携帯電話 などの通信の3事業を主に営んでいる。私は創業者の息子で、父から数えて4番目の経営者となる」 //new22nozawa.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2013/11/23/000043_5.jpg CPグループは100カ国以上で商品を販売し、2015年の売上高は約450億ドル(約4兆6千億円)に達した。事業拠点は東南アジアから中国、欧米に広がる。世界16カ国に投資し、30万人以上を雇用する東南アジア屈指の多国籍企業だ。といってもどんな企業なのかすぐには理解できないかもしれない。 日本のコンビニエンスストアの総菜コーナーでCPの製品を簡単に見つけられる。鶏肉や豚肉を使った総菜がパックに入って売られているが、商品を裏返してみてほしい。黄色の円のなかに赤い字でCPと記されたマークがあればそれは当社が生産に携わった商品だ。 こうした商品はCPフーズが日本のコンビニや食品企業と手を組み、タイで半加工して輸出している。CPは日本の食卓を変えた企業とも呼ばれる。我々は1973年にタイから 鶏肉 を日本に輸出し始めた。80年代には エビ の養殖にタイで成功し、やはり日本への輸出を始めた。日本の消費者に鶏肉やエビを手ごろな価格で提供し、鶏の空揚げやエビフライを気軽に食卓にのせられるようにした。 実はCPグループにはもう一つの名前がある。正大集団だ。中国が78年に対外開放政策を始めると、CPは真っ先に中国に進出した。広東省の経済特区の深圳に登記した第1号の外資系企業がCPだ。以来、中国では正大集団の名前を使っており、正大という名前を知らない中国人はいないほどだ。 中国事業はグループの4割近い売上高を占めるほど大きい。なぜタイの企業が中国に深く浸透できたのか。創業者である父、謝易初は中国広東省生まれの華僑だ。父はタイなど東南アジアと中国...