江野楳雪(えの ばいせつ)は、1812年、東松山市に生まれました。
29歳には、絵師として、川越市喜多町に移り、晩年まで生活しています。
寺社や旧家に、多くの仏画、山水画、花鳥画、肖像画、祭礼画などを描きました。
それらの絵は、掛軸、襖絵、板絵、天井画となって残されています。
リズム感のある画風が特長で、
東松山市には、菩提寺である曹源寺に「涅槃図」「十界図」などの
本格仏画を納めました。 生家の江野家にも10数点保存されています。
鴻巣市の法要寺には、「獅子図」「龍の図」「涅槃図」があります。
入間市の蓮華院には、大天井画があります。見るものを圧倒します。
八王子市の観栖寺(かんせいじ)、川島町の伊草神社、
坂戸市の林家にも数点保存されています。
圧巻は、1826年に描いた全長18メートルの長巻「川越氷川祭礼絵巻」(埼玉県指定文化財)です。楳雪の人物・風俗画の代表作です。
川越氷川祭礼絵図 【リンク】
楳雪がお世話になった川越の広済寺にも「
他に、「石原のさゝら獅子舞図」「十六羅漢図」 「肖像画」( 当時の商人の姿)など。
今日確認される遺作の数倍にもあたる作品が存在した可能性が考えられています。
ベルツ水で有名なドイツ人のベルツ東大教授は、
絵画のコレクターとしても知られていました。
1901年帰国の際にはその絵は、
【参考】
・水村家文書
喜多町の名主水村家に保存されている古文書で、当時の町のくらしがよく分かる資料です。市指定文化財。
・江野楳雪の画集『江野楳雪・梅青ー丹青なる画の世界』(東京美術、2007年)。発刊したのは子孫の江野祐一郎、千枝子さん。