歴史・自然紹介しよう 比企観光視察
川越は“江戸”、比企は“中世”ー。比企の歴史や豊かな自然を多くの人に知ってもらおうと比企地方の観光をテーマにした県川越比企地域振興センター東松山事務所主催の「比企地域観光視察」が十三日、関係者を集めて行われ、比企地方の名所や史跡を巡った。
同地域を視察したのは、同東松山事務所や小川町産業観光課職員と研究者らのNPO法人川越奥武蔵観光情報学研究会(桑原政則会長)ら。
一行はまず、嵐山町にある県立嵐山史跡の博物館で元同博物館長の梅沢太久夫さんから比企の中世史の説明を受け、マイクロバスで出発。
梅沢さんを案内役に、大蔵館をはじめ鎌倉街道跡、嵐山渓谷、宇宙開発事業団地球観測センター、平和資料館、正法寺・巖殿観音、吉見百穴、吉見観音、いちごの里よしみ、松山城跡、小川町の埼玉伝統工芸会館、花和楽(かわら)の湯などを見て回った。
梅沢さんは、名所の歴史を解説。
「寄居の鉢形城や松山城、菅谷館など比企を中心とする一帯は、中世の館跡や山城の宝庫。
ようやく『比企城館跡群』として国指定史跡になったが、まだ、緒についたばかり。
これだけ貴重な史跡を群としてみられるのは珍しい。
もっと整備を進め、多くの人に知ってもらいたい」
と熱っぽく保存と整備を訴えた。
参加者から「地元の人はあまり関心がないが、なだらかな丘陵と里山風景は財産」
「行政単位で行っているブツブツと分かれた観光施策では、対応が難しい」
「民間主導で、まず良さを分かってもらうアイデアを集めたら」などの意見が出されていた。
新井勝己・東松山事務所長は「来年は、川越がNHK連続ドラマの舞台になるが、
観光客の足を一歩伸ばしてもらう工夫を考え、比企地方の良さをアピールしたい。
観光を核に、地域振興のネットワークづくりにお役に立ちたい」と話していた。
桑原さんは「川越は江戸時代、比企地方は鎌倉・中世と、歴史観光コースを作り、川越との連携を図ったらどうか。それには比企地方の地域観光を一体化する必要がある」などと話していた。