涅槃図 :(※) |
中国では、パーリ語の仏教の聖典を漢訳するとき、重要なキーワードについては原音の深遠性や神秘性を尊重して、翻訳せず、音写しました。
たとえば、「涅槃(ねはん)」は、ニルバーナ(nirvana =火が吹き消された状態。死。)の音写であるから、「涅」や「槃」は音だけを表わし、意味は関係ありません。
中国語には、漢字しかなく、カタカナやひらがながないのでこのようになりました。
日本語では、「ネハン」とカタカナで表わしたほうがよさそうですが、ありがたみをそこなわないように、中国式を踏襲して漢字で表わしています。
【追】
イスラム教の場合は、さらに極端で、アラビア語で書かれたもののみがコーランとされています。
(※)頂相画家 西村俊廣 涅槃図