空き家管理ビジネス全国展開 千葉の不動産コンサルL&F
日経2015/8/14
不動産コンサルティング業のL&F(千葉市、森久純社長)は、空き家管理ビジネスの全国展開に乗り出した。インターネット上で空き家の所有者と管理業者を結びつけるサイトを開設。参入ツールやネット動画で管理状況を確認できるシステムなども提供する。3年後をメドに300社・1万5000戸の契約体制をめざし、全国的な問題となっている空き家の管理促進につなげる。
新事業の名称は「日本空き家サポート」。L&Fが立ち上げた会員制のウェブサイトに空き家の所有者と、空き家管理を手掛ける全国各地の不動産業者とがそれぞれ登録して利用する。
空き家の所有者は登録後、自分のページにログインすると、自宅の管理状況が写真や動画で確認できる。パソコンやスマートフォン(スマホ)から接続可能で、登録プランの変更や解約などもネット上で手続きできる。料金はプランに応じて異なり、月額5000~1万3000円程度。
空き家の管理業者は地場の不動産業者やリフォーム業者を中心に、L&Fが探して契約する。営業ツールの提供など短期間で参入しやすい環境も整える。契約した事業者は加盟費用と会費をL&Fに支払う。
7月のウェブサイト立ち上げ以降、19都道府県26社と契約。年内にも36都道府県50社に契約を広げる予定だ。3年後をメドに管理業者300社と契約、空き家1万5000戸を管理する体制を整え、今期約4000万円の売上高を6億円まで増やしたい考え。
空き家の増加は全国的に深刻な問題になっている。総務省の住宅・土地統計調査によると、2013年10月時点の全国の空き家数は約820万戸で、総住宅数に占める空き家率は13.5%にのぼった。このうち、一戸建ての空き家数は約300万戸で、千葉県内では12万4500戸になる。
こうした状況を受け、今年5月には空き家対策特別措置法が施行。自治体が助成金を出すなどして空き家の解体や管理を促す動きが出ている。L&Fでは法施行などで今後空き家の管理業に参入する企業や、管理を任せたい個人が増加すると予想。新事業を収益の柱に育てる考えだ。
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