white elephant(白象)とは、なぜ「やっかいもの」?
タイ地図のイラスト タイの略図は、タイ人があがめる象の頭に似ています。 タイは、フランスと同面積で日本の1.4倍です。 象戦争 タイで象があがめられてきたのは、勝敗の分かれ目は象部隊の活用いかんにあり、 王様が先頭で戦うからでした。 象は王権の象徴であり、象局というものもありました。 しかし、この高貴な象も、white elephant(白象)になると、 英語では「金のかかる厄介物」という意味になります。 そのいわれは次のとおりです。 象のなかでも、とくに白象は王者の象徴で、神聖視されていました。 白象の飼育には莫大な経費を必要とします。 昔、タイの王様が、有力な家臣にこれを贈りました。 家臣は、王様からのたまわり物だから大切にしなければなリません。 しかし世話するには膨大な経費がかかり、破産してしまいそうになります。 そうです。 …。 王様の狙いは、実は有力な臣下を破産させるのが目的でした。 こういうわけで、 white elephant(白象) とは、 あまりにも高貴なために、 「費用や手数がかかるばかりで、得にならない持て余しもの」 をあらわすようになりました。 タイ国旗(1855- 1893) (※)wp かつてのタイ国旗は、赤地に白象でした。 のちに印刷などの点で非実用的なので、現在のものにかえられました。 ◇ ◆ ◇ タイでは白象は神聖です。 白象には偉大な王の霊が宿るとされています。 白象は、他の象(チャーン)と区別して、プアックと特別の名前でよばれています。 「白象勲章」という勲章もあります。 外国人に下賜されるタイ王国最高の勲章です。 かくて、象は、タイ国の、観光のために、外交のために、威信のために、 貢献し続けています。 いつの間にか、「象といえばタイ」のキャッチフレーズが定着...