一般的なナスの2~3倍の重さを誇る特産品の「絹かわなす」。さらなる認知度向上を目指す |
西日本最高峰・石鎚山(1982メートル)の麓にある水都・愛媛県西条市。
特産品の「絹かわなす」は重さ400グラム程度と普通のナスの2、3倍あり、絹のように薄く柔らかい皮が特長だ。
農家から「わがままな野菜」といわれるほど栽培が難しいが、味は良く、戦前からの伝統野菜を守ろうと官民一体となった取り組みが続く。
絹かわなすは直径約20センチ、長さ25~30センチ。
丸く大きな形から「ぼてナス」などの愛称で市民に親しまれてきた。
30年近く栽培する 石川薫明 (いしかわ・しげとし) さん(69)は、名水百選に選ばれた自噴水「うちぬき」などを挙げ「この土地と水だから、この味が出る」と話す。
あくが少ないため生でも食べられ、絹のようになめらかな舌触りとリンゴのような甘さは、ほかのナスでは、なかなか味わえない。
首都圏での物産フェアなどでの評判は上々で、市産業政策課の 高橋幸宏 (たかはし・ゆきひろ) 係長(42)は「絹かわなすは見た目で引きつける。味見した人は必ず買ってくれた」。
昔は県内だけで安く売られていたが、今は5キロ2千円ほどで首都圏のレストランなどにも卸されている。
需要は伸びているが、花びらが触れるだけで果皮に傷が付くほど繊細なだけに新規参入が難しく、生産者の高齢化も進む。
JA西条によると、今年は11戸(計約2・8ヘクタール)が生産する。
JAでは農家への絹かわなす栽培の呼び掛けやマニュアル作りなどを進めており、来年は定年退職する1人の就農が固まった。
野村智美 (のむら・ともみ) 営農指導員(31)は「良さは知られてきているので、生産量を増やして産地を守っていきたい」と目を輝かせた。
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