丸広百貨店、アトレを専門店中心、若者向けに(NK2012/7/25)


丸広百貨店、川越駅前の店舗を専門店中心に 若者向け 

2012/7/25 23:32
日本経済新聞 電子版
786文字
丸広百貨店(川越市、大久保敏三社長)は、川越駅前の百貨店「アトレマルヒロ」を専門店を中心とするショッピングセンター(SC)形態に転換する。駅前の立地を生かし、ファッションや雑貨の人気ブランドを入れ、若年層の集客を狙う。すでに改装工事に着手しており、9月15日に開店する予定。店舗売上高は現在の3~4割増の140億円を目指す。
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2~6階を改装する。合計86ブランドが新たに入居する。駅に直結する2階部分に入居するセレクトショップ「ユナイテッドアローズ グリーンレーベル」など39店が川越地区に初出店となる。このうち「ナノ・ユニバース ザ・ファースト・フロアー」など16店は埼玉県内初出店という。
同社がショッピングセンター形態の店舗を運営するのは初めて。従来の婦人服や紳士服といった百貨店式のフロア割りをやめ、衣料品や化粧品、雑貨などが混ざったフロア構成にする。床や天井など内装も一新する。各階に配置していた同社社員は20人から5人程度に減らし、テナントの管理に専念する。地下の食品売り場は現状を維持する。
アトレマルヒロでは従来も若者向けの品ぞろえを増やすなど、近接する川越店と客層のすみ分けを進めていた。ただ20~30歳代の若い客は東京・池袋地区や郊外のショッピングセンターに流れる傾向が強い。百貨店形態をやめ、若者に人気のある専門店を前面に出して対抗する。
百貨店の機能は500メートルほど北にある川越店に集約し、40歳代以上の顧客のニーズに応える。川越店との間には県内でも有数の集客力を持つ商店街「クレアモール」があり、商業エリア全体で集客することで生き残りを目指す。
アトレマルヒロは川越市などの主導で1990年に完成した再開発ビルの一部で営業している。築20年が過ぎて施設自体が老朽化していることもあり、初の大改装に踏み切った。投資額は10億円程度とみられる。